吐露
私は自分のことが嫌いだ。何においても。
何も出来ないまま一日を無駄に潰して後悔するのにまた次の日もそのまた次の日も無駄に潰す。
疾患のせいと現実から目を背けている。
実家暮らしでほぼニートと変わらない生活。
その一方で高校の同級生たちは進学し、実習やらなんやらで忙しそうにしている。
高校生の時、体と心が壊れ、不登校になり、精神疾患と診断された。そこから私の人生は大きく狂った。
別にいじめを受けていたとか、学校が嫌いだったとかではない。
むしろ、クラスメイトや部活の仲間は私が不登校になっても家まで様子を聞きに来てくれたり、精神科での診断結果ともうこれから学校に行けない事を伝えるとすごく悲しんで寂しがってくれたりして、大好きだった。
関係はもちろん良好だったし、学校に行きたくなくなるほど仲の悪い誰かがいた訳ではない。
そして学校の先生も学校の雰囲気も大好きだった。
先生方は個性豊かで正直変わっている方も多かったものの、それぞれの専門教科が大好きであるということと、生徒たちのことを思ってくださっていることが伝わってきて、生徒たちはみんな先生方のことを信頼していた。
行事等に関しても、運動神経の悪い私は、運動会や球技大会のような学校行事は悪目立ちするため中学まではすごく苦手だったのだが、私の行った高校では出来ない人を責めたり貶したりすることは一切なかった。
文化祭などもサボる人はいないくらいみんな一生懸命で、みんなのために動くのはすごく気持ちがよかった。
ではなぜ私が体も心も壊し、不登校になったか。
頑張りすぎたのである。
私は何をするにしても、最初のスタート地点が人より遅れていることが多い。
だから人一倍努力してやっと人並みといったところ。
私は高校の友達に追いつきたくて、負けたくなくて、全てにひたすら全力投球で生きていた。
テスト前の平日は学校から帰ると当たり前のように深夜(というか朝方)まで勉強し、
休みの日は、学校の開放されている教室で朝から夕方まで勉強、家に帰って夕飯を食べ、風呂に入ったあとはまた勉強。
こんな生活を続けていると、テスト前に必ず体調を壊すようになる。
具体的には、お腹を下す、慢性的な頭痛など。
それによってテスト前は毎回のように病院にお世話になっていた。
ご飯が食べられないほどの具合の悪さに達するので、病院で点滴を打ってもらう。
点滴を打つと楽になって学校に行ける。
今になるとこれは狂気じみていると思う。
でもその時はそうでもしないと負けてしまう、置いていかれるという気持ちが強かった。
そのおかげで置いていかれるどころか学年でもトップを争うくらいの成績をとり続けることが出来た。
行きたい大学は模試で射程圏内だった。
これがまたプレッシャーだった。妥協が苦手な私は“頑張らなきゃ”の呪縛から逃げられなかった。
こんな私は、みるみるうちに精神的にも身体的にも壊れていった。
最初は、教室に入ると手が震えて眼振が起こるようになった。
さらには動悸、息切れ、最終的には過呼吸。最終的には教室に入るだけでソワソワしだして、パニックを起こすように。
それでも保健室登校を続けた。
行けそうだったら少しでも教室に入って、規定時間を耐え抜いて、出席数を確保したかったからだ。
単位を落とすなんて考えられなかった。今まで毎日死ぬ気で頑張ってきたのが水の泡なんて。しかも周りにも抜かれて置いていかれる。
保健室登校でもいいから希望を捨てたくなかった。
でもそれも長くは続かなかった。症状は悪化の一途を辿り、外に出るだけで過呼吸に。外に出るのが怖くなって、そこからは引きこもり生活に。
もちろん単位は落とした。当たり前だが今までどれだけ頑張ろうと単位を落とすと卒業は出来ない。
誇張とかではなく本気で私の人生は終わってしまったと思った。
何のために生きていたのか分からなくなった。
別に私は大学に入るために生まれた訳ではないが、頑張ってきたことが水の泡になった挙句、進学も考えられない。
未来が真っ暗になった。希望が全く見えなくなったのである。
私が通っていたのは普通科の進学校だったため、在学中に取った資格は英検とかTOEICのような資格だけ。
別に私は外国語に関わる学部に進学するつもりはなかったので、私にとってはいわば受験のための資格だった。
結局手には何も残らず、肩書きは中卒のニートに。
今はそれの延長線を生きている。
体調はマシになってきたとはいえ、薬でメンタルをコントロールしながら生活しているし、去年始めたバイトも週に多くて3日ほど。
こんな自分が私は嫌いだ。でも正直どうしていいか分からない。
焦れば焦るほど体調は悪化する。
少し良くなって新しいことを始めると悪化する無限ループだ。
でももっと良くなるまで長く休むほどの猶予はない。
元気だった頃の高校生活が私の人生のハイライトだったような気さえする。
私は恐らくこれからも自分のことを好きにはなれない。誰かが認めてくれようと。きっと。
この文章を書いていてもどうも悲しくなって筆が進まないし、涙が溢れてしまう。
いつか何か間違ったことをしてしまいそうで自分が怖い。
いつか、心から楽しめる日々はやってくるのだろうか。