豆乳チーズはとろけない
〜君は植物性チーズを知っているか〜
「ヴィーガンチーズはとろけない」のほうが語呂がいいんですけど、植物由来のチーズは別にヴィーガンだけのもんじゃねえし~と思ってプラントベースチーズとか植物性チーズと言ってみたら、あまり語呂がよくないですね。
今回は、豆乳ベースの植物性チーズ(豆乳チーズ)を食べてみたら案外おいしかったよ、というだけの話です。
先に結論を言うと、私は豆乳チーズを本物のチーズの代わりとして食べることはできないのだけど、別の全く新しい豆乳製品としてなら美味しく食べられて好きです。
出会い
去年、スーパーで豆乳チーズを見かけ、味が気になって買ってみたのが私と植物性チーズとの出会いです。
初めて食べたのは豆乳で有名なマルサンのスライス豆乳チーズ。
「これはチーズじゃないな……」というのが正直なところでした。
とろけないし、チーズ独特の香りもしないし、なんだか変な弾力があってポソポソしている。極めつけは食べ慣れない妙な甘さ。
ヴィーガンやベジタリアンではないただのチーズ好きが、チーズのバリエーションのひとつとして、または本物のチーズの代用品として食べるには結構つらいです。
しかし、チーズとは全く別物の「豆乳で作ったそういう食べ物」だと思えばとてもおいしいです。
乳製品にはない甘さは調整豆乳と同じようなものだと思えばいいし、とろけずキシキシした食感も妙に癖になります。
なので一袋食べきるのは早かったのですが、リピはどうかな……というところ。そして私のような人が多かったのか、うちの近所のスーパーからはいつの間にか姿を消していました。
再会
なかなか見かけないとはいえ、やはり需要はあるのか、品揃えの良い大きめのスーパーに行くとありました。
もう一種類の豆乳チーズ。
豆乳だけでなく、ココナッツオイルも使われています。
食パンに乗せてトーストしてみる
焼けども焼けども、食パンが焦げるだけでチーズが溶ける気配はしません。
それどころか、重力に逆らって食パンからめくれ上がってるまである。
何だこいつ。
誰がお前の背筋力を見せつけろと言ったよ。
豆乳とココナッツオイルでできているらしいですが、ココナッツオイルの味や香りはしません。最初に食べた豆乳チーズとほぼ同じ味です。
すでに上で散々本物のチーズとは別物として…と言ってしまいましたが、なんというか、「とろけた状態のチーズみたいなものの表面に固く薄い膜が張っているシート状の食べ物」です。
膜の張ったシートをかじってみると、まずは歯に膜のきゅっとした感触があり、続いて中の柔らかい部分まで貫通していきます。そして歯の表面に、べっとりと中のとろけたチーズ的なものがまとわりついてきます。
そのまま食べてみる
先ほどはトーストしたものを食べたので、今度はそのまま冷蔵庫から取り出した状態のシートを食べてみました。
冷たい豆乳チーズをそのまま食べてみて驚いたのは、加熱した状態とあまり味の印象が変わらないこと。
トーストしたものはただ温かいだけだったのだと、ここで気付くことができました。
食感も、本物のチーズは加熱することによってとろけて伸びたり、柔らかくなったり、香りが立ったり……という変化がありますが、もうこれ本当に温まって幕の中が少し柔らかくなっただけ。
冷たいシートの豆乳チーズは、上記のトーストのときの感想を冷たくて硬いバージョンにしただけです。
キシキシ食感はさけるチーズに少し似ているので、さけないキシキシチーズとしておやつにするのはありなんじゃないでしょうか。
2回食べてみた感想
繰り返しになりますが、チーズとは別物の「そういう豆乳食品」として、とても好きです!ちゃんと美味しい。
乳製品独特の匂いも含めてチーズが好きな人には物足りないと思いますが、逆に言うとチーズの匂いが苦手な人にとっては匂いがないので食べやすいと思います。
ただ、やっぱりとろけないというところが、使う料理を選ぶかな……。
そんなにチーズがとろけてなくてもいい料理だったら全然代用品として使えると思いました。タコライスの上に載ってるシュレッドチーズには向いてそう。ピザとかには向かなさそう。
問題は本物のチーズよりも高いので、チーズの代用品を使う必要に迫られないと買わないだろうという点です。
普通にチーズが食べられる人なら、本物を買った方が安いしおいしいし種類も多い。
チーズ独特の臭さが苦手という人、牛乳アレルギーのある人、宗教的な制約・または主義などでチーズが食べられないけど食べたいという人にとっては、本当にいい代用品だと思います。