M・一途「美少女動物園にて」(短編小説)
僕が担当する檻には「白いワンピース少女」がいる、らしい。僕には見えない。
毎日たくさんの人が園にやってきて、彼女を熱心に見ている。ときどき子供たちが絵を描いて見せてくれるが、どの絵も微妙に違うので彼女が本当はどんな姿なのか、よくわからない。
「トクナガくんが羨ましいな」
と、休憩中に同僚のスドウくんが話しかけてきた。
「トクナガくんは、大変名誉ある仕事に就いているからな」
それは知っている。担当の檻が決まった時、さんざん言われたことだ。
「トクナガくんは、彼女とど