稽古帳-2
2023/2
○牛ほめ
○鼓ヶ滝
今月は体がもうだめだと思っていたし、日々もまたどうにもならないので、落語を聞けるときにただ聞くという方法をとることが多かったが、それでも自分のもともとの憧れの風景が平される感覚を覚え、まさか病牀六尺、というほどではもちろんないが、寝ながらでも地平は拓けたような気もしたのであった。舎人の住宅平原は夢のように広く、わたしは今日もちいさく移動している。現状に震えながら。
初心を思い出すたびに悔しく、忸怩たる思い。久しぶりに牛ほめなどをさらう。また鼓ヶ滝などを誠実に折り目正しくやりたいなどと願う。来月頭に京都に里帰りするので、その流れで有馬温泉まで行ってしまおうかとも思う。