彦坂尚嘉/現代美術家

アーティストです。

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  • 《無-文明》の批評

    人類史の文明を区分して、現在を《無-文明》として捉えています。この時代の批評を考えて、見ようというサイトです。彦坂尚嘉と、丸山真の二人が、毎日書いて行くつもりです。」

最近の記事

『私の好きな美術作品』クルト・シュヴィッタース

 このダダイストであったシュビッタースの作品には五つの構造があります。《原-芸術》《芸術》《反-芸術》《非-芸術》《無-芸術》です。  ダダイストであるにもかかわらず、芸術のこの5重層性があることを、を私は評価するのです。  つまり、ダダというのを反芸術であるとする美術史の常識から見ると、シュビッタースの場合には逆で、《新芸術運動》のアーティストと見た方が良いところがあるのです。 つまり《新古典主義》のダビッドやアングルと似ているアーティストなのですが、《新古典主義》は

    • 誰でも、自分の意見を持っていて良いのです。

      誰でも、自分の意見を持っていて良いのです。 だからと言って、私は誰で良いからといって無差別に自由に議論しようとは思いません。 まず喧嘩はしたくないし、教育もしたくないのです。教育というのは、自分で自分を教育する自己教育でしか教育はできないからです。 私はとにかく穏やかに生きていきたいのです。だから闘牛士のように勝手な意見は赤い布でやり過ごしたいのです。 経験的に言えば、多くの人の意見はその人だけの独自の意見です。ですからコミュニケーションできないものですから赤い布でや

      • キリコとラウシェンバーグ

        このキリコの作品は好きな人が多いが、キリコが優れた芸術構造をもっているアーティストである事に気がついている人は少ないのかもしれないと思う。 この一番人気の作品にしても、遠近画法のレトロ的なイメージと、子供の輪回しという童話性に惹かれている人が多いいのだろうと思う。しかし芸術が成立しているのですよ。 《原-芸術》《芸術》《反-芸術》《非-芸術》《無-芸術》という5段階の芸術構造が全て成立している。 言い方を変えれば、芸術とは何であるかがわかっていれば、芸術を全て成立させる

        • セザンヌとシンディ・シャーマン

          このセザンヌの作品には五つの構造があります。《原-芸術》《芸術》《反-芸術》《非-芸術》《無-芸術》です。この重層性を私は評価するのです。 それに対して、シンディ・シャーマンのこの作品は芸術の5つの構造が無くて、たった2層なのです。つまりあるのは《原-芸術》《芸術》です。《反-芸術》も無いのです。だから《非-芸術》も《無-芸術》もありません。セザンヌと比較するとシンディ・シャーマンの芸術構造の薄さが際立ちます。

        『私の好きな美術作品』クルト・シュヴィッタース

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        • 《無-文明》の批評
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        記事

          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史12 原始時代の最後

             すでに述べたように、原始段階の人間の精神というのは、《想像界》だけなのです。    今日の人間の多くは、《想像界》しかない人が非常に多くなっているので、現代が原始段階に回帰してしまっていて、それほどに文明のなかに原始人が増大していると言うことが言えます。文明の制度と文明の利器の中に、原始人が生きていると言う、今日の状態です。この現代の原始人というのは、言い換えれば子供です。子供というのは、文明の中の原始人なのです。    アメリカ民主党の政治家には、多くの現代の原始

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          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史12 原始時代の最後

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          【書けること・書けないこと】1/10:《狂気》について

          いくつかの重要な認識が溜まってきたので、整理して行こうと思う。 「書けないこと」というのは、一つにはFacebookの当局にひっかかることは、書けない。すでに2度警告を受けていて、3度目はFacebookの使用禁止になるからです。大した事を書いてきたのでは無いですが、書いてはマズイということがあるのです。 もう一つマズイのは、このFacebookの人間関係で、不快に思われることは、書けない。他人を不快にはできないということが、今日では重要であって、つまり事実を書くこととか

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          【書けること・書けないこと】1/10:《狂気》について

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          【社会の二重性、美術の二重性】

          今日のマスメディアは、真実や事実をおおい隠して成立するものになっています。 この構造は、美術に於いても同様です。最近の、デジタルアートの75億円での落札も、表に見えて、作られてきているイメージと、隠されている事実は、違うのです。隠されている事実は、多くあるのですが、その一つが、この作品が、芸術であるかどうかです? 

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          【社会の二重性、美術の二重性】

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          人体デッサンの変化

          絵に限っても、時代によって、学習する事は違います。言い換えると、文明が転換すると、美術は激変するのです。 【原始時代①】

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          人体デッサンの変化

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          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史11 芸術分析について

             ここで、私が使っている「芸術分析」というものについて、少し解説をしておきます。    私は、学問という規準にこだわりました。それは哲学者のフッサールを勉強していたと言うことがあって、『厳密な学としての哲学』という著作に感銘を受けたのです。それで、《厳密な学としての芸術》という設定をして、芸術分析をする様になったのが、私なのです。ですので、あくまでも学問としての芸術論なのです。   こういう考えをしたのは、一九六八年で、私は二二歳でした。しかもこの時は世界的に学生運動

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          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史11 芸術分析について

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          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史10 縄文式土器

            原始時代と言っても、縄文・後期になると、日本人の精神は、《想像界》の一界になります。岩手県には旧石器時代から続く遺跡が残されています。その中の縄文後期の深鉢を見て見ましょう。 ・縄文後期 深鉢  岩手県駒板(こまいた)遺跡(軽米町) 縄文を磨り消して磨き、光沢を出す技法      なんで《想像界》があるなどと言えるのかと言えば、縄文後期の土器を言語判定法で測定すると、《想像界》という言語に反応が得られるからです。こういう言語による測定を、言語判定法というのです

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          言語判定法を使って美術家が書いた公説日本美術史10 縄文式土器

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          美術には、階級問題があるのです。

          高尚な高級美術が、過去の歴史には沢山あるのですが、18世紀この近代以降になると、通俗的な下層美術が台頭してきます。 その意味では、最初は、ゴヤの絵画です。ゴヤは驚くべきすぐれたアーティストなのですが、その中には、下層美術の先駆的というものがあります。 ゴヤはスペインの宮廷画家になっているので、その作品は、高尚であり、超俗的であって、決して通俗ではありません。 『カルロス4世の家族』(1800-1801年、プラド美術館所属)

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          美術には、階級問題があるのです。

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          堀浩哉氏の回顧展を見ると、驚くほどに、作品が弱い。生命力が10しかない。

          回顧展と銘打っていながら、内実が回顧展になっていないことが、1番問題なのです。何しろ私は、大学時代の1967年から54年間付き合って来ているので、おぼえている重要な作品が、全く無いのですね。 大学時代には、ダーカンジェロというアメリカのポップ・アーティストの模倣作品的な作品をを作っていたのですから、それから出して欲しかったです。 アラン・ダーカンジェロの作品。1930年アメリカに生まれる。1998年没する。ハイウエイを平面に鋭く分割して交通表識や事件の痕跡を投射することで

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          堀浩哉氏の回顧展を見ると、驚くほどに、作品が弱い。生命力が10しかない。

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          【今日の様々なアート】5−7

          5、浅井忠の水彩画 浅井忠は、今日まで続く日本洋画の先駆者です。 浅井忠の水彩画は、東京国立博物館が持っていて、私は見に行って、見入りました。 これも いわさきちひろのような【作品密度1】の淡い作品ですが、いわさきが想像界だけなのにたいして、浅井は《想像界》《象徴界》の2界があるので《芸術》が成立しています。

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          【今日の様々なアート】5−7

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          【今日の様々なアート】1-4

             今日の芸術、あるいはアートは、多様なものになっています。あまり難しくしないで、行き当たりばったりで、あげてみます。     まずは子供の絵です。     1975年以前は、子供の絵を、芸術とは言いませんでした。     芸術分析では、子供の絵は、《想像界》もなくて、《狂気》もなくて、しかし《原-想像界》はあって、そして《原デザイン》性はあります。     しかし1975年以降になると、子供の絵も、最も基本的なアートであるという考え方が主流になったように思います。

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          【今日の様々なアート】1-4

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          【狂気について】

          【狂気について/ジェンティレスキ】  『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』という作品があります。 この作品を描いたのは、17世紀の女性画家で、レイプ事件の被害を訴訟した公文書が残ることからも、ジェンダアートの有名な実例となっています。 この作品には、《想像界》《象徴界》《現実界》・・・といった芸術分析はなくて、《狂気》がある作品となっています。   女性画家ジェンティレスキは、美術史的には、カラヴァッジオ派に属していました。

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          【狂気について】

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          生きる空間の大きさ

          人間が生きる大きさというか、空間の大きさが、人によって違うのです。 そのことは、単なる物理的な大きさだけでなくて、文明の構造とか、権力の問題にも関連があるので、簡単では無いのです。                東京都美術館   美術のグループ展の活動をしているのですが、前に、都美術館で、グループ展をやった時に、グループのメンバーが10名ほどが、「嫌だ」と言って離脱したのです。「去るものは追わず」という原則があるので、私は説得しませんでした。説得をするべきであるという考えも

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          生きる空間の大きさ

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