「生きる」
ふと思い出した映画がある。
◉ 黒澤明監督の作品「生きる」
お役所で働く公務員らしき高齢に見えるお方が病気の告知をされる。それまでなんとなく仕事をされていたようだが、残りの命が短いと知ってから自分の仕事に全ての力を注ぎ込む様に働いていく。
一度しか見ていないけれど、この様な内容で私の記憶にはセンセーショナルに残っている。私は後悔しない生き方しかしないと決めて生きて来たが、この映画を見てますますそう感じたものだ。
私はよく何のために生まれたのか考えている。時々、鮮明に答えが見えるが時に戸惑ったり自信を無くしてしまう。しかし繰り返し繰り返し、誰かに背中を押される様に私は同じような目標に再度向かいたくなる。
映画の主人公はきっと昔の定年前くらいの歳だっただろうが、私はもっと早い段階で自分が生きている時間にもっと成し遂げたいことがある様に感じた。きっと病気により死を意識することが多かったからだと思う。
前までは命が絶えるまでに成功しないといけないとか、認められないといけないなどと、自分の首を絞める様な緊張感があったけれど、年齢を重ねて考え方が少し柔らかくなった。
いつも私の中には伝えたい愛や夢や希望や友情などが沢山ある。止めて行きたい悲しみや苦しみや闇も良く知ってる。一度に大きく多くの人に伝えなければ、なんて大げさに思っていたけれど、今は少しずつでも伝われば良い。私が最後まで伝え続けていればいい。何かを成し遂げる事が無くても、大好きな人たちはきっとその姿を理解してくれ、頑張ったねって言ってくれる。
そんな風に思える様になった自分がまた嬉しいし、恥ずかしいけど愛してあげたいなと思います。
「生きる」をまた思い出したってことに何か意味がある様に思う。その紐を解きたくてこのように文章にしてみたが、また少し自分の本心がわからなくなってきたので、今夜はもう一度思い返しながら床に着こうと思う。
いつ死がやってきても後悔しない生き方を。
まだやりたい事が沢山ある。
まだまだこれからもたっぷり生きる。