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男の心をつかむには、胃袋から

タイトルの「心に通じる道は、胃袋を通る」は、32年前に他界した作家、開高健のことばです。1958年に「裸の王様」で芥川賞を受賞して以来、川端康成賞、菊池寛賞、日本文学大賞など、主な文学賞を総なめにした異色の作家ですね。

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彼の創作舞台は書斎だけでなく、釣果を求めて世界の海や河川を歩きまわった、釣り人としても名を遺していますが、希少な銘酒を飲み干し、舌の肥えたグルメとしても知られています。その彼がもっとも感動したのが、渓流釣りで口に含んだ石清水の湧水だったという、晩年のエッセイが印象に残っています。

ひとの心を掴むのなら、心のこもった料理でもてなしなさいというのが、「心に通じる道は、胃袋を通る」の真意です。おいしいものを食べたとき、誰もが幸せな気持ちになります。

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英語圏でも類似のコトワザがあります。

”The  way  to  a  man's  heart  is  stomach"  (男の心をつかむには、胃袋から) 昔から料理教室へ通うことが、花嫁修業のひとつだったこともうなずけます。

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最近では「男の胃袋をつかむレシピ」「愛されめしで、幸せな結婚を引き寄せる」「彼の胃袋とココロをつかむ料理」などのタイトルで、注意を惹く料理本をたくさん見ることができます。

学ぶの語源は「真似ぶ」(模倣)  

女性にとって婚活の最優先課題は、料理の腕を上げることになりますが、芸ごと、スポーツ、文学、芸術、技術など、一流になるためには先輩を真似る(模倣)からはじまります。

和食は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、日本料理に携わる人は約36万4千人(2004年総務省調べ)です。板前として一人前になるには、下積みから生・煮る・焼く・揚げる・蒸すの、「調理五法」を習得するのに、10年を要すると言われています。

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なにかをマスターしてスペシャリストになるためには、「1万時間ルール」があります。1日3時間、毎日欠かさず練習しても10年間を費やする計算になります。

プロ野球選手やピアニスト、バレリーナ-など、一流と称賛される人たちの軌跡をたずねると、3,4歳ころから研鑽をつんでこられています。

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よく知られているように、伝統芸能「能」にも、「守・破・離」の教えがあります。基本を忠実に守ったうえで、自分なりのオリジナリティを加え、独自のオンリーワン技術にまで昇華させることです。

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まさに「ローマは一日にしてならず」です。東洋運勢学を学ぶ途上にある、わが身を振り返ると赤面するばかりです。

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