料理のリメイク
建長寺が発祥とされている汁物で、けんちん汁というのがある。とある精進料理の本で作り方が紹介されていたので試してみたら非常に美味しかった。以来、建長汁は根菜を多く食べたい時とかに作る事がある。料理法に関しても色々と学ぶべきものが沢山詰まった本でとても勉強になる一冊だ。宗哲和尚が御他界なさった後、藤井まりさんが意志を引き継ぎ、料理教室などの活動をなさって居る。
どうも精進料理というと、とても禁欲的で味もそっけもない印象があるけど、とても楽しくて美味しい料理なんだなというのを改めて実感する。
我が家の場合、例によって建長汁は具沢山で鍋いっぱいに作ってしまう。それは色々な具を入れるので仕込みの量がどうしても増えてしまう事と、多く作った方が後の使い回しなどを考えると合理的だからだ。
残ったら暖めて饂飩を入れても美味しい。大抵は数日に分けて全部食べきってしまう事が多いのだけど、今回は具と汁が少し残ってたので、少し手を入れて別の料理にリメイクする事にした。具と汁を別けて、具は細かく潰して、汁と一緒にして一緒に煮詰めて、そこに別に里芋を茹でて潰したものと、おからパウダーも加えてコロッケの種にした。これは冷蔵庫に入れ、後日、パン粉をつけて、精進コロッケにする。
昨晩、鰤のアラを4割引きで購入し、本日、血合いを丁寧に洗って、お湯にさっと潜らせ鰤を炊いた。あらかじめ大根を米の磨ぎ汁で茹でてあったので、鰤を炊いた煮汁で大根を炊いて、柔らかくなり味が染みた頃合いで、炊いた鰤を戻してさっと火を通して鰤大根に仕上げる。しかし、これはまだ食べない。1日寝かせて味が馴染んだ段階で暖めて食べるからだ。残った煮汁も捨てないでコンニャクとか炊いてもいいし、ゼラチンで固めて煮こごりにして食べると美味しい。煮汁も旨味が入ってるので捨ててしまうのは実に勿体無い。
今回は大根を炊いた訳なんだけど、皮を剥けば皮が残る。これは味噌に漬けたり、醤油に漬けたり、糠床に漬けたりして漬物にする。
ついでに鰤の粗と一緒にオーストラリア産の養殖のサーモンのアラも売ってたので買っておいた。これは後で粕汁にするから、今日の段階で昆布出汁で炊いて火を通しておく。後で野菜類を入れて炊いて、最後に味噌と酒粕で味を整える予定。
それにしても魚の粗は有難い。安いし、美味しい。みんな魚の粗の美味しさを知らないというのが、また実に有難い!!
禅寺には五観の偈というのがあって、引きこもりニートである私には勿論、多くの人々にとっても非常に耳の痛い言葉ではあるが、とても耳が痛いが故にとても大事な事を言っている。
出家してる訳ではない我々は修行僧のような事は出来ないものの、それでも我々は生きて毎日ご飯を食べる以上、どうしても他の生命を奪って居るのだから、せめて出来るだけ無駄の無いよう素材の味を活かし殺生しないように気をつけないといけない。日々のご飯を犠牲になってくれた命に感謝し、犠牲になった命を目の前に届ける為に幾多の人々に感謝し、自らがそういう有難い食事を食べるのに相応しい生き方をしているのかを問い、毎日、充実した生き方をしようと心がけ努力する事は、毎日の事なので忘れがちだが、大事な事ではないだろうか?
右や左の旦那様、人生オワコンの中年ニートのキモいオッサンにも、お恵みを.... 愛の手を... と書いてみたけど、こんな糞ニートをサポートする奇特な方などおりますまいが、それでも人生オワコンの引きこもりの糞ニート、出来るだけ面白い記事を書くように頑張ります....