電子書籍派か紙の本派か
結論から言うと、本はもっぱら紙の本派だ。
大学生のとき、インターンシップの営業同行で行った大手新聞社に「あなたはどちら派ですか?」と聞かれて、うまく答えられなかった。
けれど今なら、わたしの言葉で答えられる。
ページを一枚一枚めくっていく感覚が好きだから。
少し硬い背表紙、擦れる紙の音、手に触れる感覚、匂い。
めくっていくごとに、いろんな感情が溢れたり、新たな発見があるし、それが、わたしの右手の中に一枚ずつ重なって増えていく。
本棚に好きな本が一冊一冊、並んでいくのもいい。
少しだけ何かが自分の一部になった証みたいなものが、そこにあるようで嬉しいし、頼もしい気がするのだ。
わたしは、気分転換が苦手だ。
何か嫌なことがあると、そのときの感情にとらわれてしまって、なかなか抜け出せない。
何か違うことをしていても、気がついたら悪い方へグッと引き寄せられてしまうのだ。
けれど、本を読んでいるときは、それらから解放された。
中の世界に没頭し、嬉々としたり、涙を流したり、またいろんな考えに思いを馳せたりすることができるから。
読み進めていると、そのとき自分が欲しかった言葉や、物事を打破していくためのヒントに出会うことがある。
何もかもが後付けなのだろうが、不安なとき、状況を変える何かを探して、本を手に取っているのかもしれない。
仕事を辞めるから、今までに読んだ本を読み返してみようか。
きっと、ほとんどのことを忘れてしまっているだろうし、今読んではじめてわかること、違った視点での気付きもあるだろう。
どんな自分に出会えるのか。また、楽しみがひとつ増えた。
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