自分自身のエンパワメント
私は34歳くらいまで長期間引きこもっていた。1番大きな要因は家庭環境だが、体の病気も大きな原因だった。未成年の時にかなり悪化した状態で発覚した、甲状腺機能亢進症。ホルモン異常だ。
長期引きこもっていた事もあると思うけど、普通の人間とホルモンの数値が異なっているせいか、性格や見た目にも影響が出たのかもしれない。
地獄の底を見るような状態から社会復帰出来たのは、自分の見た目の若さを利用してだった。色々教えてくれる人を見つけては、人として最低限のことを教えて貰ったり、一緒に行動して貰って経験を積んだりできたんだ。
人とコミュニケーションをとる為に使った道具がバイクだったので、私の社会復帰はとても荒々しいものになった。私の恩人の中には、輩みたいのやヤバい人も何人か混ざっている。でも、その人達に引きずられるようにしなければ、いつまでも底辺をさまよっていたと思う(底辺だけど知恵を付けることだけは忘れたことが無い)
ただ、その間に元々なかった私の尊厳や人権と言うのは、ますます貶められて行った。ブラックな飲食店で暴力を振るわれて、このままでは行けないと思い、介護の学校に行った。
教科書に書いてあるのは、私の全てだった。介護福祉士になると、人権や尊厳の事をかなり習うが、それこそが私から奪われたものだった。
習った中で1番気になった言葉は、エンパワメントと言う言葉だった。社会復帰過程でで、私は泣くほど苦痛で堪らないのに、なんかの義務感に追われ、知らない人と遠くにバイクで走りに行ったりしていた。1人ではどこにも行けなかったからだが、なぜここまでやるのか、自分でも頭がおかしくなったと思うこともあった。
が、その、エンパワメントと言う言葉を知って、「私は自分の失った力を取り戻したいんだな」
と気づいた。失われた経験と知識を埋めるには、高速の中でのやり取りと死へ危険や恐怖、緊張感がある事が、何倍もの効果があったんだ。
その後は准看護師の学校も行って今は看護の仕事をしている。数年前に持っている土地に収入が入るようになり、経済的なエンパワメントは上手く行っている。これもまともな教育を受けられなかった為に、私から奪われた事だ。
が、健康面はとにかく酷い事になった。甲状腺機能の低下に成功して、バセドウ病よりもコントロールしやすい橋本病にあったのもあるかもしれない。10年ほど前から、急激に太り始め、両膝の半月板損傷して、あと5年後車椅子生活になるんじゃないか?
と思っているくらいだ。
だいたいの医者は、正化一般の血液検査に異常がなければ、まともに話を聞いてくれない。どの医者に行っても、検査数値が正常化した私はちゃんと診察して貰えなくなった。
ただ、膝を壊した事もあり、どんな手を使ってでも痩せないと行けなくなった。他県にある、新しくできた、肥満外来と甲状腺や糖尿病の病院に通い始めた。
抵抗はあったが、インシュリンを打って食べる量を減らすことにした。ちょうどそこの病院は、オゼンピックよりもずっと効果の高い、マンジャロと言う注射を安く売ってくれた。で、ついでに、太る可能性のある病気を調べて貰った。⇐こんな事を快くやってくれる医師を見つけるのも大変なんだ。だいたいの医者は嫌がってやってくれない
昨日インシュリンを貰いに行ったついでに、血液検査の結果を貰ってきた。先生が何も言わなかったので、スルーして検査結果を捨てようとした時。
成長ホルモンの値が正常範囲を割っている事に気づいた。で、成長ホルモン低下症は、今私が困っている症状にピッタリ合うんだ。
こんな病気の検査を受けるだけでも、なかなか大変なのは、長い通院生活と一応看護職なのでよく分かる。サプリメントで改善するような病気ではなく、高価な成長ホルモンは、保険診療ができるとしても月に5万以上かかると言う。
あと、病気認定されればまだしも、半端にホルモン数値が低いだけで、治療水準では無いと言われるのが怖い。とりあえず検査を受けて治療したい。
私の人生を狂わせたのはホルモン異常で、また今度はもっと厄介なホルモン異常の可能性が出てきた。
私は自分の権利擁護・エンパワメントの為に、真っ当な人間並みのホルモンバランスになり、人間として死にたいと思った。それだけだ。
ちなみに、病気というものは、病名が分かるだけでもラッキーと言っても良いと思う。厄介な病気にかかると、まともに診てくれる医者、一般的でない血液検査をしてくれる医者に巡り会うのも、非常に大変なんだ。