黛灰の世界は理解されるべきか
１.はじめに
6/3021:00より行われた黛灰（https://www.youtube.com/channel/UCb5JxV6vKlYVknoJB8TnyYg）の配信で、彼の物語は幕を閉じたらしいけれど、私はそれをどのように受け止めればいいかわからなかった。
というのも、黛灰の世界を「三次元から見たコンテンツとしての世界」として見るか、「たまたま次元が一つ違っただけの世界」として見るかを決められなかったからだ。
そこで、二つの目線から黛灰の所属する世界、また彼自身について考えてみようと思う。
※ちなみに私は本当にライトな視聴者なのでたくさんの齟齬、矛盾が見られると思うが、別にこの考えを黛灰の他視聴者やほかのVtuberに押し付けたいわけではないのでそっとしておいて欲しい。
２.劇場型Vtuber黛灰
さて、では一つ目の目線。
黛灰はコンテンツであり、その素地となる世界は視聴者を巻き込んだ物語の素地でもある
これは私の最初の認識だ。この場合
・伏線めいた事項（師匠の喪失など）がほとんど回収されていない
・黛灰とそれに伴う世界が物語のために作られたという事実自体が覆っていない（＝黛灰が作り物の世界に囚われたまま）
という問題が残ったままエンドロールが流れたことになる。
私が素直に結末を呑み込めなかったのはここが原因だ。
物語として視聴者に提示された世界が答え合わせなしに終わってしまうことがコンテンツとしての不義理に思えてしまった。
ただし、この考え方は無意識のうちに「物語の作り手が三次元存在である」という先入観が潜んでいるのではないだろうか。
視聴者と同じ立場で黛灰の世界を構築しながらその根本的な「設定」を明かさずにいる存在がいると思うことで、「正しい正解」が物語の結びに際して視聴者にももたらされるべきだと考えてしまうのだ
よって、この先入観を取り払うために次項の解釈を生み出した。
３.単なる低次元存在黛灰
二つ目の目線は、
黛灰は我々と同じようにある世界の単なる一存在である
という見方である。
この視点では、上であげた伏線未回収問題と作り物の世界存続問題が片付く、ように感じられる。
具体的に言うと、今回私たちが三次元空間から観測した「黛灰と彼を取り巻く世界」は、本来あらゆる世界のあるべき形である、と解釈するのだ。
つまり私たちの三次元世界も四次元以上の存在による物語であり、そして四次元世界は五次元以上の存在による物語…というように。しかし残念なことに三次元存在である我々は誰かの書いたシナリオの上に自分たちがあることに気づいていない、というわけだ。
そうすることで、「黛灰の物語が不完全に終わった」のではなく「我々の世界と同じように黛灰の世界も完全には理解され得ないことを示した」と言えるのではだろうか。
例をあげよう。この世で天才と名高いアインシュタイン、しかし彼も世界のすべてを明らかにすることはできなかった。たとえば、人はなぜ人を愛したり愛さなかったりするのか、命はどこからやってきたのか、この世界に実態があるのかどうか。そういうことはきっと彼の専門外であった。多分。
そして結局、アインシュタインという個人に明かせたのは世界のすべての疑問の一部にすぎなかったといえるだろう。
黛灰も天才と言われていたが、いくら天才とて一人で世界のすべてを詳らかにすることはできまい。
そう意味では、「明かされない」ということが何より「黛灰の世界」のリアリティであったのではないか。
４.さいごに
つまり、コンテンツとして見たときの矛盾点を二次元と三次元を重ねて見ることで、
・「伏線未回収問題」については、三次元世界に転がっている伏線めいたものだって何もかもが回収されるわけではないため、全回収されない状態こそ正常である。
・「黛灰の世界が私たちから見て作り物である」という認識は、高次元存在から見た私たちが作り物であるかもしれない可能性と等しい。
という解決を示して私は黛灰の世界を不完全なものとして理解した。
しかし、この文章さえ大業な言葉を使って一人のキャラクターを評価しようとする試みに過ぎず、彼を低次元コンテンツ「黛灰」として見ている節がある。
これから物語から解放された黛灰をひとりの生命として観測できる日を楽しみにして、少々雑に筆を置く。
余談
本当に著者はライト視聴者に過ぎないのでフレーバーテキストのトップノートくらいの気持ちで読んでほしいな…。
とにかく黛が帰ってきてくれたのが嬉しくて、本当はその気持ちだけでいっぱい。
せっかくなので好きな動画も貼っておこうっと。
【The White Door】記憶喪失のおっさんの生活を見守るゲーム【黛 灰 / にじさんじ】
【Mosaic】社会なんてクソくらえ【黛 灰 / にじさんじ】
【お借りした素材】
【ゲーム背景 無料素材】家 ハッカーの部屋・廃人の部屋・引きこもりの部屋 https://oblsk.sakura.ne.jp/3d/?p=611
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