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未来は決まっており、自分の意志など存在しない。

心理学者である妹尾武治さんの
「未来は決まっており、自分の意志など存在しない。心理学的決定論。」

こういうタイトルに対して、自分がどう思うか、読んだ後どう感じるか、感じたことをどう捉えるか、というのが課題です。

元々は佐渡島さんが好きな本であるとおすすめされていたのですが、まさに前野さんの「なぜ脳は心を作ったのか」や佐渡島さんの「観察力の鍛え方」石川さん羽賀さんとの共著「感情は、すぐに脳をジャックする」ともすごく繋がっている内容です。

「ラプラスの悪魔」
すべての情報を手元にした存在にとって未来は全てが確定済みであるという考え方

神とか天使とかではなく、悪魔とついていることに、無意識のネガティブ抵抗がある気もしますが、とにかく因果というものをどう捉えるのかは、必ず一度は考えてしまうテーマだと思います。

「我々の自分の人生も、人生ゲームのような決まった行程であり、その全て確定した世界に対して、幻影として自分の自由意志で決めたと思う人生の機微に、一喜一憂しているだけなのではないだろうか?」

確かにルーレットを回しているのは自分ですが、その盤面は決まっているルートであり不変ですもんね。だから色んなバリエーションの人生ゲームがまた売れてしまうのでしょうが。

「もし、全ての人間の行動が意志ではなく環境から与えられた必須で不可避のものだとすれば、悪人とされる人こそ、人間の業の本質をより強く与えられた存在であり、たまたま少数派に割り振られた存在よりも、よほど強く何かを学べているのかもしれない。」

罪を肯定するものではないことは、何度も本の中で注意喚起されていますが、確かにそうした側面があるようにも思えます。

それ以外にも、沢山の事例やアプローチで心理学的決定論のエビデンスが書かれていますが、とにかく様々な哲学や禅問答などの話が面白く感じました。

「阿頼耶識」
心が心を見ている。全て阿頼耶識が生み出したもの。

「クロノスタシス」
物理的な時間と主観的な時間は一致しない。

「ゼノンの矢」
放たれた矢を動画で撮影すると、どのコマを見ても矢は止まっている。止まった矢のコマを連続で再生することで飛ぶ矢が生まれる。
この持続こそ、意識の本質であり、意識の自然の法則である。

「非風非幡」
あるお坊さんが、風にはためくのぼりを見て、のぼりが動いていると言った。別のお坊さんは、いや動いているのは風だと言った。また別のお坊さんが、動いているのはのぼりや風ではなくあなた方の心だ、と言った。

「ベクション、vection」
実際には自分は動いていないのに、自分の体が動いていると感じる錯覚。

結論として書かれているのは、

「意識とは情報であり、生命とはその情報を増やすために配置されたなにがしか(存在)である。」

「事前に全てのことは決まっている。しかし、だからといって人生が輝かない訳ではないし、一生懸命に生きることはやはり美しいし、楽しい。」

「あなたの未来は白紙ではないが、そうだからこそロマンがある。」

「私は操り人形だが、自覚的な操り人形だ。」

最後のこのような言葉に救われた気持ちになることが、まだまだ自分としては未熟であり、それが無くてもありのままにその考えや自分の感情を受け入れることこそが大切だなと感じました。

#未来は決まっており自分の意志など存在しない
#妹尾武治

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