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"もの"を"ものがたり"に紡ぐこと。
クリエイティブディレクター田中淳一さんの「地域の課題を解決するクリエイティブディレクション術」
昨年末に秋田の講演会でご一緒させていただいた元ADKの田中淳一さん。その時は全く事前に話し合いをしていないのに、偶然にも「パーパス」という同じテーマで、それぞれ地域クリエイティブ、D2Cという領域で話をさせていただきました。
もちろん沢山の方から田中淳一さんのことは聞いていましたし、いつかお仕事できたらなぁと思っていましたが、まさかこんな形でお会いできるとは思ってもみなかったので、めちゃくちゃ嬉しかったのです。
その田中淳一さんが昨年末に宣伝会議から上梓されたのがこの本。カバーを開けると本誌の表紙にはずらっとクライアントロゴが!
「日本のクリエイティブ格差を無くしたい。」
「地域をクリエイティブで元気にしたい。」
中身の素晴らしさももちろんですが、もう序章と後書きに記されたその熱い想いに撃ち抜かれてしまいました。
帯に書かれているこのコピー
「そのお土産、道の駅以外でも売れますか?」
田中淳一さんが強く語られているのは、唯一無二になるための「ものがたりづくりの重要性」。
それは2人で話したパーパスの話にもつながりますが、結局そのプロダクトはどういう想いでつくられたのか、どんなストーリーがあるのか。必ずそれはあるのに、それを伝える術が弱いということなんですね。
その「ものがたりづくり」のために、
「商品のリサーチ」
「想いのリサーチ」
「生活者のリサーチ」
を徹底的にやる。
よくクリエイティブディレクターってどんな仕事なんですか?と聞かれることが多いと思うんですが、田中淳一さん曰く
クリエイティブディレクションとは、
「依頼された事案における課題の発見」
「課題を解決するためのアイデアの開発」
「アイデアのアウトプットのクオリティ管理」
そして、どんな案件も下記の繰り返し
着想 課題の発見とコンセプト開発
企画 アイデアの開発
定着 クオリティコントロール
ということで、その具体的なメソッドが惜しみなく書かれています。
本当は、もっとめちゃくちゃメモったんですが、これ以上中身を書くとネタバレし過ぎてしまうのでこのくらいにします、笑
たくさんの心に刺さる言葉がありました。
「地域のクリエイティブディレクターはオーケストラのダブラーであるべし」
「何でも伝えたいは、何にも伝わらないと同じ。」
「"もの"を"ものがたり"に紡ぐこと。」
そして、本当に田中淳一さんが実現したいことが最後に書かれています。
宮崎の口蹄牛や東日本大震災を見て、
「CMなんて、広告なんて、世の中になくっても誰も困らないんだ。自分が懸命に培ってきた職能って、何の意味があるんだろう。」
そこからADKを辞め、地域クリエイティブの会社を立ち上げ、コストやスタッフの壮絶なジレンマを抱えながら、結果を出し続けていらっしゃいます。
「地域で暮らす人の未来を明るくしていく術は、確実にたくさんある。足りないのは伝え方。」
「地域にこそクリエイティブだからできることがある。クリエイティブで今の地域の状況を好転させるお手伝いができる。」
他にも心震えるコトバが沢山ありました。
領域は違っても地域貢献することを目指す気持ちは同じです。
また飲みに行きたいです!
#田中淳一
#地域クリエイティブ
#地域の課題を解決するクリエイティブディレクション術