BCGが読む経営の視点2025
『BCGが読む経営の視点2025』ボストンコンサルティンググループ
毎年恒例行事のような本。BCGが何をどんなテーマでどう見ているかが分かります。2024年版からどう変化があったかも検証すると面白いです。
①生成AIを武器にする
事業を変革する"大玉案件"が成功の鍵
✔︎アフラック生命保険→業務アシスト、営業活動アシスト、問い合わせアシストで約3割の削減
✔︎「トリリオンゲーム」でもアニメーションに生成AIが使用
✔︎ウォルマート→在庫管理、顧客行動分析、5万人の従業員へ定型業務の負担軽減
✔︎ファイザー→医薬品の設計に導入することで創薬の時間とコストを削減
✔︎Google出身者によるスタートアップ「Sakana AI」がSLMを開発
✔︎経済産業省の立ち上げたGENIACは、計算資源の提供、マッチング支援、コミュニティイベントの開催、基盤モデルの性能評価などの活動
✔︎AI活用の黄金比
10% AIアルゴリズム
20% テクノロジー/IT
70% ビジネス変革
✔︎大玉案件→大手観光企業はダイナミックプライシングで導入し、関連サービスに拡大
②自動車の未来
EVだけではない、100年に一度の大変化
✔︎SDV=ソフトウェア定義車両は6500億円規模に成長
✔︎自動運転含めたソフトウェアによって決定づけられ、更新改良される。
③半導体の再興
世界で戦うために国内基盤の再構築を
✔︎半導体の世界売上高ランキングのトップ10には、半導体製造装置の東京エレクトロン、検査装置のアドバンテスト、洗浄装置のSCREENホールディングス、製造装置のKOKUSAI ELECTRICの4社が入っている。
✔︎サプライチェーンの総点検とレジリエンス強化
④次世代エネルギーの推進
脱炭素と競争力強化の二兎を追う
✔︎太陽光→薄くて曲げられるので、壁面や車の屋根などにも設置できる次世代ペロブスカイト太陽電池に期待も、量産は中国が先行。
✔︎水素→日本に可能性がある。水素やアンモニアを消費する技術力で優位性を築く。水素製造の上流に投資する。水素の海上技術を磨くこと。
⑤生物多様性に向き合う
豊かな自然資本を日本企業の強みにする
✔︎自然の力にもとづき生態系と人間の両方に利益をもたらす解決策、ネイチャー・ベースド・ソリューション
✔︎日本には2000年の間、豊かな自然を持続的につくってきた独自のモデルがあり、それが「一次産業の産業化」における強みとして活かせる可能性がある。
⑥物流を変革する
テクノロジーで危機を乗り越える
✔︎人が優秀すぎたため、テクノロジー導入が遅れている。
✔︎MOVOを提供するHacobu、倉庫マッチングを行うsouco、ラストワンマイルの最適経路を提示するLoogia、量子技術を活用して物流問題を解決するエースタークォンタム
✔︎企業間連携、競争は商品で物流は共同で
⑦プライシングを進化させる
世界基準の値付け力の獲得に向けて
⑧R&D(研究開発)能力の向上
グローバル競争力再生への10の要諦
⑨スタートアップとの協働
企業イノベーションの起爆剤に
✔︎米国のデータ解析大手パランティア・テクノロジーズがSOMPOホールディングスと共同出資会社を設立、英国のオクトパスエナジーは東京ガスとJV
✔︎大企業傘下でスタートアップを育成する。
フィンテックスタートアップのカンムはMUFGグループに入ってIPOを目指す。
✔︎スタートアップかま大企業の資金力や信用力を活用して事業を成長させた上で独立上場する「スイングバイIPO」KDDI傘下でIoT通信を手掛けるソラコムが初めてのモデルケース
⑩アクティビストを超えて
より高次の企業価値創造を目指す
✔︎穏健かつ本質的な企業価値向上のアプローチをとる「エンゲージメントファンド」のプレゼンスも高まってきている。ジャパン・アクティベーション・キャピタルやタイヨウ・パシフィック・パートナーズなど
✔︎TSR、キャピタルアロケーションなどの考え方も浸透しつつある。
✔︎ビジネスシステム→自社ならではのやり方(Why)でかつ自社の核となるビジネス領域(What)で、差異化されたやり方(How)で繰り返し価値を創出できるシステム
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