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タイムトラベラーによるイノベーション

『世界をつくった6つの革命の物語』新・人類文化史 スティーブン・ジョンソン

ロングズーム=鼓膜を震わす音波の振動から大衆の政治運動に至るまで、さまざまなスケールで同時に検討することによって歴史の変化を説明しようとする試み

ハチドリ効果=ある分野のイノベーション、またはイノベーション群が、最終的に、まるでちがうように思われる領域に変化を引き起こすこと

1.ガラス
ガラスは人間を待っていた。
リビア砂漠→イタリアムラーノ島がガラスの島に→レンズとして印刷の発展により眼鏡の需要→顕微鏡や望遠鏡として化学や医学、天文学を生む→ガラス繊維がグラスファイバーとしてインターネットの発展に→鏡の発達によりルネサンスとして絵画の発展

2.冷たさ
ボストンの事業家が氷を運ぶ事業を開始→アメリカに貯氷庫を設ける→医師が天井から氷を吊るして人工の冷却装置をつくる→肉の保存としての冷蔵庫を開発→パラマウントの映画館で実験的なエアコンシステムを披露→クーラーの登場で暑い地域への移住が可能になり、人口移動が史上最大に

3.音
ネアンデルタール人が洞窟内の音響学的効果を利用→音波の発見→音を記録「フォノートグラフ」→ベルか音をとらえて伝える→エジソンが蓄音機発明→ラジオ生放送でジャズがアメリカに広まる→ヒトラーが真空管アンプとマイクで演説→ビートルズがライブ

4.清潔
入浴という概念は無縁→シカゴでコレラや赤痢が流行→コレラの原因が汚染水→アメリカで初の下水道工事→毎日体を洗うことが唱道→塩素が細菌を水から除去し適量であれば飲用が無害だと分かる→都市水道水実験→漂白剤が誕生→浴場やプールが開業→消毒による死亡率の減少

5.時間
ガリレオがピサの大聖堂にある祭壇ランプの振動量を脈拍で測定→イギリス全土の時間をグリニッジ標準時で標準化→安価な時計「エラリー」がつくられる→鉄道運行のため時間を4種類に→クォーツの腕時計誕生

6.光
マッコウクジラが発見され、その脳油でロウソクがつくられる→初期の電池とフィラメントで数分間明るく燃やすことに成功→白熱電球の特許→エジソンが電気ランプをつくる→雑誌や新聞が爆発的に増加→ネオンサイン、レーザー光線→レーザー技術を応用したバーコードスキャナー

終章.タイムトラベラー
180年前のコンピューター、ロマン派詩人バイロン卿の娘エイダ・ラヴレースと、プログラム可能な計算機の生みの親であるチャールズ・バベッジの意外な関係

タイムトラベラーに共通する要素があるとしたら、それは彼らが表向きの専門分野の余白、あるいはまったく異なる領域の交点で、仕事をしていたことである。

#世界をつくった6つの革命の物語
#スティーブンジョンソン

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