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聴くことは、最高の友情。

ケイト・マーフィさんの「LISTEN」。

傾聴力が大事とよく言われますよね。会議やディベート、セールスするにもまずは相手の話をちゃんと聴いて理解してから話す。会話じゃなくて対話が大切だよね、と。

「聞く」ヒアリングじゃなくて「聴く」リスニングをしようね、とか。

まさにその「聴く力」について色んな研究や考え方をまとめた一冊になっていて、約500ページの大作で読み応え抜群でした。でもチャプターが細かく分かれているので、読みやすいし刺さる言葉もたくさんありました。

まず、歴史上の人物による聴く力の大切さを表したことば。

第30代アメリカ大統領カルビンクーリッジ
「耳を傾けたがために職を失った人はいない」

哲学者エピクテトス
「自然は人間に舌ひとつと耳ふたつを与えた。自分が話すその倍は、人の話を聞くようにと」

そして、器官としての身体的な記述も。

「聴力は人間が死ぬ最後まで待ち続ける感覚のひとつ。」

「進化の過程で、目は閉じられるようにまぶたが発達した。しかし耳にはそれがない。それは聴くという行為が、人間が生き抜くのに欠かせないからではないか。」

「象の聴覚はかなり敏感で、近づいてくる雲の音も聴こえる。人間は音を識別して分類する能力に長けている。」

「右利きの人は左耳よりも右耳で聞く方が言葉の意味を深く早く理解できる。右耳は言葉を聞きとり左耳は感情を聞きとる。」

象すごいですよね、笑。
では、どのようにして LISTENしたらいいのか。実際に相手のことを自分がどこまで理解できているんでしょうか。  

「聞き手の反応が話し手の感情と合致しているケースは5%以下。」

なんだそうです。うまく LISTENできると、話す側と聴く側の脳波が一致して脳波が同調するんだそうです。では良い聞き手とはどういう人なのか。

「良い聞き手とは、話し手と同じ感情になって聞ける人。」

「他の人の経験や考えに喜んで耳を傾け、相手の視点を認められる人。」

「優れた聞き手は、余っている処理能力を頭の中での寄り道に使わず、相手の話を論理的にも直感的にも理解するために全力をあげている。」

「聞き上手はなぜ?という質問を使わない。」

「相手がどう言うか、言っている間に何をしているか、どの文脈で言っているか、その言葉があなたの中でどう響くか。聴くとはこうしたことに注意を払うこと。」

でも、なかなか難しいですよね。 なんで上手くいかないんでしょうか。

「いちばん会話を妨げるのは、次に何を話そうかという心配。それは自分のためにならない。」

「目立ちたい人は自分が十分でないことをカバーするために自己顕示する。自分を見せたいという欲求のせいで、他の可能性をなくしている。」

「話をコントロールしようとすると、逆に進まない。」

「自分はすごいと見られたいだけの質問に気をつけよう。」

「アドバイスをしようと思って聞くと失敗する。」

何か、どれもすごくグサってきますよね。ではどうすればいいんでしょうか。

「聴くことの真の秘訣は自分のことはどうでもいいということ。目の前に空のコップを差し出して、相手に私のコップを満たしてもらう。」

「会話とは、粘土の塊でキャッチボールをするようなもの。一人ひとりが話を受け止め、それぞれの感じ方で形を整えてから、投げ返すようなもの。」

「聴くことの多くは、あなたがどう反応するかにかかっている。」

「誰とでも話ができるとは、誰の話でも聞けるということ。」

なるほど、やはりここでもマインドフルネスというか、自分自身の雑念や意見に囚われず、相手の話だけに集中する。ただ聴く、ということなんですね。では結論、 LISTENって何なんでしょうか。

「聴くことは最高の友情である。」

「相手の言葉をじっくりか考えることは、自分の心にその人を招き入れること。」

「弱さを見せるとはどういうことかを自分自身で経験しないと、他の人が弱さを見せたときに感受性を持って尊重することがなかなかできません。」

まさに生き方そのものですね。 LISTENだけではなく、自分と他者がいる限り、この原則は普遍な気がします。その上でとても刺さった言葉がありました。

「人生で起きることは自分の思い通りにならないことばかりだが、聞くことは例外で、自分で完全にコントロールできる。」

「聞くことは、学ぶこと。」

#ケイトマーフィ
#listen

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