子どもに勉強させる方法
「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!」
「宿題は終わったの?宿題やりなさい!」
お子さんにこんなことを言ったことがある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私は小学校の先生をしているので,懇談会でお家の方からこんな悩みを聞くことも多いです。
今日は,
『勉強』
というキーワードを掘り下げてみたいと思います。
1.そもそも『勉強』はしなければならないものなのか?
現在,コロナウィルスのため,学校が始業していないため,私たち教師も留守家庭のお仕事を助っ人しています。
留守家庭では,
「勉強の時間」「遊びの時間」「おやつの時間」
のように区切られた時間があり,その時間はみんなでその活動をすると決まっているようでした。
先日,留守家庭にいる子どもの中で,勉強の時間が始まってしばらくすると,全然勉強をしなくなって遊びだした子どもがいました。
私は見ていたので,その子にこう聞きました。
「勉強しないの?」
するとその子はこう答えました。
「もう終わったから。」
なるほど,と思い,
「すごいね。やったの見せてみて。」
実際に見せてもらうと,きちんとやっているんですね。しかも,内容はほぼ完璧。なので,
「きちんとできているね。がんばったね。」
と声をかけると,
「だって,やらないといけないから。」
という言葉が返ってきました。
ほうほう。なるほど。と思い,ここで聞き返しました。
「勉強は本当にやらないといけないものなのかな?」
「やらないといけないよ。だって,大人になった時に困るでしょ?」
「誰が困るの?」
「僕。」
「そうだね。でも,やらなくても死んだりはしないよね。」
「うん。」
「ご飯食べたり,トイレに行ったり,寝たりはしないと生きていけないからしないといけないけれど,勉強ってしなくても生きていけないことはないよね?じゃあ,勉強はしないといけないものなのかな?」
「しなくてもいいかもしれない・・・」
そう,勉強は実は『しなくてもいいもの』なんですね。
でも,した方がいいもの。
誰のためかというと,「自分」のため。
ここが,子どもたちは認識として,親のためや先生のためにすり替わってはいないでしょうか?
2.『勉強』したくない子どもに勉強をさせることはできる!?
私は,自分のクラスの子どもたちには必ず
「勉強は最高の贅沢である」
という話をします。
勉強しなくたって生きていけるし,知らないことがあっても実は
自分は困ることはないかもしれない。
(周りの人は困ることがあるかもしれませんが)
でも,日本では
「義務教育」
として,親に「教育を受けさせる義務」を負わせ,子どもは教育を
受けさせてもらっている。
一年間で子どもには
一人「約80万円」
の教育費がかかっていて,これは全て大人が働いて稼いだ「税金」
で払われている。
30人学級では,1クラスで2400万円。
マンションが買える値段。
これだけのお金が,しなくてもいい『勉強』というものにかかって
いる。
その「価値」をまず子どもたちに考えさせるようにしています。
それから,勉強は『しなくてもいいものだが,すると自分の成長のためになるんだ』と話します。
そして,どんな自分になっていきたいかによって,行動選択の基準が変わっていくんではないかということを問うていきます。
例えば,現在2年生の子どもで,3年生になった時に「かけ算九九が完璧に言えてすごいと言われたい」と思っていたとしたら,その子にとって勉強は「したい」ものに変わっていきます。
つまり,Be「在り方」を変えていけばDo「行動」は変わっていくということです。
3.『勉強したくない』と子どもが言ったらどうしたらいいか
もし,お子さんが「勉強したくない」と言ったら,させなくていいと思います。
例えば,筋トレをする価値が全然わからないと思っている大人に,筋トレをしろ!と言っても,やらないですよね。
やったとしても,いやいややったり,手を抜いたり,適当にしたりすると思います。
そうすると,本来の筋トレのパフォーマンスを享受することはできません。もちろん,やってみるうちに面白くなることもありますから,一概に無駄だとは思いません。
色々なアプローチの仕方があっていいと思います。
しかし,最も重要なことは,本当に子どもたちが「勉強する」ことの「価値」を理解し,その「価値」のために,『自分が』やると決めて取り組んでいくことです。
つまり
「自己決定」
をさせるということです。
「勉強しなさい!」と言うことは,とても簡単なアプローチなので,
ぜひその前に
子どもたちがどうしたら「自己決定をして」勉強できるのか
というアプローチも試してみて欲しいと思っています。
私が考える最も簡単なアプローチは,
『大人が勉強する』
です。
子どもは親や先生,周りの大人をよく見ています。
その周りの大人が楽しんで「勉強」していれば,子どもも自ずと勉強します。
子どもは,本当に自分の鏡なのです。
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