『Love Flutter』パソコン音楽クラブ
ラジオ好きを名乗ることがあるのだが、ぶっちゃけ固定で聴いているラジオは『伊集院光 深夜の馬鹿力』と『喫茶結社のラジオ』しかない。ANNは星野源くらいだが最近あんまり聞いてない。アニラジもかなり聴いていたが、それももう多分10年くらい前だ。ラジオ好きとは一体…といった様相だ。ただ、そんなエセラジオ好きでも一つ言えるのは、相変わらずラジオというのは新しい音楽と出会う可能性を持てる場だということだ。とはいえ今回出会ったのは、愛を持って音楽に接している『喫茶結社のラジオ』ではなく、たまに本当にイラっと来るくらい音楽を粗雑に扱うことがある『馬鹿力』のほうで出会った曲の話。(※もちろん『馬鹿力』はそれがメインの番組じゃないし、普段もそれを求めてもいない)以前から名前を聴いたことのあるアーティスト・パソコン音楽クラブ。そして最近周囲の音楽好きの方からよく名前を聞く柴田聡子。この2組のコラボ曲『Child Replay』が、相も変わらず、特に感情もなく紹介された。
パソコン音楽クラブに対する感情としては、以前に書いたJoint Beautyへの感情に近い。個人的に「あの辺」と称したくなる立ち位置だ(『ゆらぎ』のゲストボーカルで察してほしい)細かいことはあえてまた書かないけど、とにかくめんどくさい感情が邪魔をして聴かないパターンだ。柴田聡子に関しては特段の理由もなく触れる機会がなかっただけだが、だからこそ、ラジオ番組の途中に挟まれるという形で強制的に聴かされる方法が良かったのだろう。これぞといった疾走感あるドラムンベースに、これに乗っかるにはあまりに線の細い印象のあるウィスパー寄りのボーカル。浮遊感とビート感が美しく混在する。この気持ちよさは少なくとも自分の中ではありそうでなかった。一発でガッとつかまれ、気づけばアルバムを再生していた。
そして最近は、アルバム通しで結構よく再生している。明るい一辺倒でも、どん底に沈む暗さでもない。きちんと陰と陽がある。こういうアルバムはどういうテンションの時でも聴きやすくて良い。それでいて印象に残らないわけでもない。器用な人の作るものは本当にすごい。ちゃんと受け入れさえできれば。(これは私の問題)