業績があるのに大学に採用されない研究者

論文数をはじめとする研究業績は大学教員採用審査において非常に重要な要素になります。

大学の教員人事では取りたい人を自由にとれるわけではなく、規定で役職(教授や准教授、助教など)に応じた業績が必要となっていたり、教授会や理事会のメンバーが納得する業績が無いと学科審査を通過できても落とされてしまいます。

ですので、大学教員になるにはとにかく研究業績を増やすことが重要なのですが、周りを見渡してみると、

・論文数5編未満なのに准教授に採用される人
・論文数20編以上あるのに助教にもなれていない人

こんな研究者が数多く存在しています。

論文数が少ないのに採用されるケースとしては、分野がニッチだったり、地方大学で応募者が少なかったため消去法的に選ばれる、などがあります。(特に、准教授以上を狙った公募では助教講師の公募に比べて倍率が圧倒的に低く、倍率5倍を下回ることが珍しくありません。それでも他業種の有効求人倍率と比べると異常値ですが)

一方で、大学教員公募で有利なはずの、多数の論文を執筆している研究者がなぜ落選してしまうのでしょうか。

今回はこの点を深掘ってみていきます。

前提

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