介護分野の文書に係る負担軽減
公務員時代、介護保険施設・事業所の実地指導を担当したことがありまして、当時から書類が多すぎて現場業務ができない、と現場でよくいわれました。
介護に携わる人材確保が大変になる中、国でも専門委員会(介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会)設置して、介護分野における文書に関連する負担軽減策報告書を2022年秋にまとめているようですので、その内容を紹介します。
まず、介護分野において、国、指定権者・保険者及び介護サービス事業者の間でやり取りされている3つの分野における文書に関する負担軽減策が検討されています。
【検討対象とする主な分野】
① 指定申請関連文書 (人員・設備基準に該当することを確認する文書等)
② 報酬請求関連文書 (加算取得の要件に該当することを確認する文書等)
③ 指導監査関連文書 (指導監査にあたり提出を求められる文書等)
主に以下の項目について議論と検討を行い、それぞれの項目に対する現状と対応の方向性が説明されています。
① 指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式について
② 簡素化や利便性向上に係る要望を提出できる専用の窓口について
③ 「電子申請・届出システム」について
④ 地域による独自ルールについて
⑤ その他の課題について
今後は、報告書で示された取組を地方公共団体で適切に進めていくことが出来るよう、国はガイドラインの作成やシステム改修に係る支援、「電子申請・届出システム」の導入に係る伴走型の支援等を行うことが重要、とされています。
また、専用の窓口に提出された要望についての報告や改善等に対する対応及び「電子申請・届出システム」の利用状況等のフォローアップ等が必要であるため、引き続き協働で負担軽減について検討する場である当該専門委員会を随時又は定期に開催することが有益とされています。
私が注目したのは、④ 地域による独自ルールについてです。〇〇県では××が一律禁止とか、△△については文書を出させているとか、言葉は良くないですが“自治体でローカルルールやりたい放題”の面もみうけられました。介護保険の大原則「自立支援」「利用者本位」「社会保険方式」をねじまげるようなローカルルールはこの際撤廃してほしいものです。
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