雨に濡れる姿にうっとり〜名古屋市市政資料館〜
名古屋に行ったら必ず見ておきたい建物。
それが「名古屋市市政資料館」
大正11年に裁判所として建てられ、現在は市の公文書館として市政資料を保存、展示している。ほかにも結婚式やコンサートなどあらゆるイベント事にも使われていて、ドラマや映画のロケ地としても有名だ。
名城線の市役所駅から徒歩6分程で到着。堂々とした大きな外観、シンボルとも言える緑色のドーム。
赤い煉瓦に白い花崗岩、私はこの組み合わせが大好きだ。最近、石についてもっと知りたいという気持ちが強くなってきた。
建物に使用される石の原産地巡りがしたい。その石を撫でたい。愛でたい。
この日は不運なことに台風が急接近し、雨が激しく降っていた。『外観撮影は雨が止んでからにしよう。』と内部へ進むことにした。
しかし雨に濡れた煉瓦はさらに濃い赤になり、その姿がとても美しかった。
内部に入るとすぐ見える、長い階段。
この大階段に圧倒される。
この圧倒的存在感の建物が見学無料なのだ。
「本当に入って大丈夫かな…」とちょっと心配になる位豪華で、とても静かだった。見学者は自分を入れて数名ほど。自分の歩く足音が廊下や部屋に響く…。
ちょっと肌寒いなあ…という仕草と不安げな表情を作るだけで映画によくある迷い込んだ系シーンのようになる。
見学というよりも、探検に近い感覚になりわくわくしてくる。
この静けさもとても心地よい。
そして名古屋市市政資料館の見所。
入るとすぐに見える大きなステンドグラスだ。
正面の天秤モチーフのステンドグラスは罪と罰が釣り合うことを意味していて、天井の日輪モチーフのステンドグラスは公明正大な裁判を誓うという意味を持っているらしい。
雨だったので陽は入ってこなかったけれど、これが晴れた日だったらどんなに素敵だっただろう。
真っ白な漆喰、重厚感のある大理石の階段手すり、工芸品の様なマーブル塗りの美しい柱…雨の日も良い、なんて言っておきながら やっぱり全てに光が降り注いだその姿を見てみたい。
2階には復元された法廷や会議室があり、1階にはなんと留置所がある。
裁判の様子が人形を使って再現されていて、部屋に入るときにちょっと「ビクッ」とする。
なにやら難しいなあ、と思う展示も小学校の校外学習気分で見ていると楽しくなってくる。そういえば、校外学習行った後は感想や様子をそれぞれ個人で新聞にまとめて、廊下に掲示していたなあ。ちゃんとした新聞を作るには見学時にきちんと情報収集をしなくてはならない。小さいながらにこだわり、結構必死になってそんな事をしていた。
なんだか懐かしい事を思い出してしまった。
建物内には休憩にぴったりな喫茶店もある。(1階の留置所を見る前に喫茶店で一休みをするのをお勧めします。)
コーヒーとサンドイッチを注文。
なんとも地元っぽい感じの雰囲気で良い。まだ雨が止む気配はなかったので、ちょっと長めの休憩を取った。
それぞれ意味を持つステンドグラスに絨毯、机、シャンデリア、壁紙などの美しい調度品たち。
名古屋市市政資料館は予想を遥かに超えた建物だった。
■名古屋市市政資料
(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)
■愛知県名古屋市東区
■国指定重要文化財
■竣工 大正11年(1922)
■入場無料
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