涯。
俺がここを二十年以上経過しても様変わりせず、この世界の果て、文化果つるところ、寂寥と寂寞の極地としか感じないのには理由がある。
幾たび訪れても、永劫上書きされることはないだろう。
それは己の勇気のなさが、偽物を本物と自分に思い込ませるために誕生し、存在し続ける磁場だからだ。
水際ならではの荒れる風の強さが、毎度その思いを強める。
とりわけ、思い知って真の世界へ、己の想いに忠実に、傷つくのを厭わず飛び込んで以降、初めて訪れるだけに、より感触は生々しい。
己の本物の、消せない罪の感触である。
無論その時間は、その根本ごと摘出して、別の時空に消去した。
この対処に悔いもない。
全ては己の三十年近く前の、得体の知れない闇への恐怖に向けた、未熟な怯懦が生んだ大きな被害であった。
罪深さ、そして現在、もう闇も恐れず、完全に開き直った、自分の判断の正しさへの再確認として、いつまでも残り続ける必要がある。
裸で痛みを感じられる最後の場所として。