「竜二」妄想。

自分にとって「竜二」の中で、シナリオの中にはさらっと書いてあるのに、実際の作品では意味深なものを感じてどうしても引っ掛かるシーンがあります。

それは竜二とひろしが炬燵でテレビ画面に流れるアゴ&金造のコントを見ている場面であり、そこに金造さんが扮する直がいないことなのです。

直は竜二の舎弟として以外に、人格がスイッチして芸人としてテレビ出演しており、見る二人は激しくメイクしている彼に気づかない。

或いはこの時既に直はやくざ人生に見切りをつけて、二足の草鞋で気付かれずに(我知らず)芸人としても歩み始めており、そのためには寝食を忘れ打ち込む為にシャブに手を伸ばしているかもしれない。

はたまた、後にファンタジーを手掛ける川島監督の仕掛けであるからには、単なる遊びに留まらず、あの画面がパラレルワールドへの入り口になっている可能性すら感じてしまうということです。

パラレルワールドであるからには、向こう側は金子氏が亡くならなかった世界線だったり、別の金造(銀造)氏が存在するForeverの世界線だったりすることもあり得る訳です。

当初は監督引継ぎを固辞し、あえて「川島透」監督名義で引き継がれることで、ほぼ別物として生まれ変わった作品故に、川島監督独自の痕跡、または実験でもあり、映画という夢への無限の可能性に繋がる出入り可能な窓として、あのテレビ画面は引っかかり続けるのです。

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