見るもの見ないもの。
いきなり言い切れば、インド映画だけは勧められても見ない。
本来ならアクション映画をほぼ専門的に見ている以上、たしなむ程度には触れた方がいいのだろうが、見ない。
理由はランニングタイムが長いことを前提に作られているから。
インドという国の好き嫌いでも偏見でもなんでもなく、見ても面白くないだろうとも思わない。
長時間観客をスクリーンに引き付ける技巧は、見なくてもかなりのものがあることは分かる。
見れば見たで面白いに決まっているであろうことも想像がつく。
ただ、現地の人だって、映画館で涼むには長い方がいいし、日本の映画鑑賞料金の様に世界一高額ってことは絶対ないので、各自のタイミングで切り上げ、何度かに分けて見るのは常識みたいだが、日本ではそれを高額な料金でインターミッションも入れずに流す。
苦痛だから見ないし、この方式は面白さを半減させるだろう。
時間の無駄だ。
インドを舞台にした映画でも、インド資本でなければそんなに長くもないので見ることはたまにあるが、インド資本のものは顔ぶれやタイトルで分かるので触れない。
家族を描いたジャンルのものは、南アジア特有の親が決める婚姻や、大家族で暮らすのが当然と言った価値観が絡むので、別にインドじゃなくても似たような話のものは基本的に避けるが、長さゆえにアクションでも敬遠してしまう。
ハリウッドも配信資本が幅を利かせるようになって長尺になる傾向があるも、アクション映画で三時間越えが連発されるような状態ではないのでまだ追える。
だが、一番いいのは昔の二本立て上映を想定して撮られた、邦画のプログラムピクチャーなどは、せいぜい一時間半ちょいなので、最高。
キリ良く楽しめる。
もっと言えばロマンポルノなどの成人映画。
別に裸も性描写も見たいわけではないが、ちゃんと娯楽していて一時間半行くのはごく稀。
しかし昔はビデオソフト化されているのを見たり、名画座に三本立て見に行ったりしていたが、配信はともかく円盤も少ない。
このくらいの尺の娯楽作品をもっと見たい、とはいえ裸や性描写が見たいわけではないので、無論AVは見ない。
俺にとっては実用的でもないし、あれはモザイクが気になるし、胸を打たれることもなく、単調で飽きてくるので、総集編にしても八時間とか平気でリリースされているのを見ると、それを消費している人間(俺と同じ「男」)が確実にいることを考えただけで、傍目からすれば、俺も記号的には単に消費する側の「男」の一部に括られている気がして、おぞましい気分になる。
話が逸れたが、AVは映画じゃないので見ないし、インド映画は代金や気候など、見るのに日本は環境が整っていないので見ない。
環境さえ整えば、もちろん見るさ。