見出し画像

あこがれの女

今日は一日じゅう家で部屋の掃除をしていた。

片付けても片付けても散らかるので、諦めて、
巣篭もりみたくいろんなものを溜め込んだ部屋に
やっと向き合った。部屋から一歩も出なかった。

深夜零時を過ぎた頃、
好きで最近聴きはじめた、ヒコロヒー(今回はあえて敬称略とする)のポッドキャスト「岩場の女」をBGMにデスクの上の雑多な小物類を片付けていた。

彼女のことは元々なんとなく好きだったのだが、
実は地元が同じで、
なんと同じ出身中高(一貫校)の先パイ、と
知ってからはより好きになって、
追いかけているタレントの一人だ。

ちなみに大森靖子さんも同じ学校の先輩。
「ヒコロヒーと大森靖子の後輩」という肩書きが
私たち姉妹的には、とても誇らしく嬉しい。

という前段はいいとして、
結構この「岩場の女」は、毎回30分以内で、時間が決まっておらず、ヒコロヒーが近頃の自身のワンエピソードについて忌憚なく喋り、オチがついたら終わり、というとてもラフで、かつ現代落語のように気持ちが良い。

そんな中、彼女が発したフレーズに、
私は思わず目頭がギュッと熱くなってしまった。

彼女が、とある大御所さんに褒められ過ぎて、
「君は宇宙人だ」と言われた所から始まり、
時は遡り、高校生時代から、クラスの周りの女の子たちと同じ気持ちでいられなかった、今もそれは変わらず同じ、という話をしている時のこと。

「わし、シャネルのバッグとか全く欲しいと思わんのよな、一回も思ったことない。なんていうか‥シャネルに頼ってるっていうか‥(結構うろ覚えです&中略)」
「周りの同世代の女たちが〇〇してる間、
わしはコントのネタ描いてる時間が無茶苦茶に楽しかったし、デビューもできんような、きったない芸人達とずっと飲んでた(的な意味合いの事)」
と。

私やん、と思った。
もちろん自分は芸人でもないし
彼女のような才能もないし
ただ地元が同じで学校の後輩という事実に
喜んでいるファンのひとりにすぎないのだが。

自分と同じ気持ちでいる人がいて、
それの何がおかしいん?と言わんばかりに
胸を張って思いを吐露する彼女の声に、
「自分も思っている事、いままでやってきた事は、
恥ずかしい事じゃない。むしろ誇らしいんだ。」
とまで思えた。

自分は20代をすべて、弱小制作会社のADとしてきったなく生きることに捧げできたので、いわゆる世間の女子達の「キラキラ」とはかけ離れた世界にいたし、30代に突入した今も業界を離れずにいる。
ので、その事に関して、正直心の片隅で、女性として負い目や劣等感を勝手に感じて落ち込んだりしていたのだが、
彼女の言葉を聴いて、勝手に自分の人生を肯定してもらえたような気がしたのかもしれない。
私も、きったないAD人生が本当に楽しかった。

愛媛県松山市から上京してきて、
年齢も近く、独り身で、演者と裏方ではあるが
同じ業界で働く女性性として、
あまりにもロールモデルすぎる。

‥‥なんて、彼女はそんなことを勝手に素人に思われて、「しらんがな」と一蹴するだろうけど(良い意味で)。

いつか、彼女と一緒に仕事できる日を夢見て、
自分もがむしゃらにがんばりたい、と思う
オーバーサーティーの午前2時すぎであった。

*今日の(書いてる間の)プレイリスト*
夜汽車/フジファブリック
水飴と綿飴/フジファブリック
同じ月/フジファブリック
タイムマシン/フジファブリック
眠れぬ夜/フジファブリック
東京/くるり
エイリアンズ/KIRINJI
世界を止めて/ザ・コレクターズ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集