青のフラッグ完結に思いを寄せて
青春群像劇だからこそ描ける男女の差別心を描いた問題作。
トーマという勝ち組、スクールカーストの上位者をゲイにすることで、マイノリティ=弱者と思い込んでいる、またその構図で得をしたい方々への遠回しの批判や皮肉になっているのが面白い。
また、当て馬的なキャラクターの苦悩を掘り下げて、だからこそなぜその人物たちがカーストの上位にいれるのか…という部分も真摯に描いている。楽しそうにしているから差別をされてないわけでもないし、苦しみがないわけでも、誤解をされないわけじゃない。
そして、だからこそ日本人が想像出来ない部分での、弱者(ここでは非リアのノーマル達であったり)の苦悩、そして、カースト上位の人間と関わることにより、人間は一人では生きていけないことを痛感し成長するし、友達になれなくても共存が出来ることを描いている。
誰もが加害者で被害者だが、そこで白黒つけるのではなく、青色のフラッグを掲げて共存するべきだ。