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最悪の搾取と怒りのポルターガイスト#3 こころの叫び
B﨑さんは、パートが午前中で終わり、いてもたってもいられなく、まずは「杏子さんに相談しよう!」とやってきたのだという。
これって、ほら、外国でいうところのポルターガイストよね? 義兄のしわざかしら。夢によくでてくるの。きっと義兄は心配してるのかもって。子どもと妻を残して自殺してしまったから…
と、杏子さんと会話していたところへ、わたしがのほほんとやってきて「ポロシャツ着た男の人が庭に立ってる」と言い出したので驚いたのだと言われた。
「ね?(義兄は)なにか言ってた?心配してた?」
B﨑さんは、わたしの変な話に疑いもせず、前のめりに聞いてきた。
「ご、ごめんなさい!わたし、そういう能力者じゃないの。感じる、だけなのよ」
「そう…」B﨑さんは心配なことの答えの取っ掛かりになりはしないかと期待したらしかったようでガッカリさせてしまった。
自分からはなにもわからないの。というわたしに、「この人ね、たまに変なこと言うだけなのよ」杏子さんがフォローしてくれた。
そして、ふたりで、わたしが来るまでしていた話の続きをし出した。
「…まぁ、心配なことは心配だよね。息子さんも警察官の試験受けるんだっけ?」
「なんかそれも、Y貴さん(義兄)、生きていたころ心配していて。あぶない職業だからやめろって言ってたらしくて…」
「きっとお子さんのこと心配だったんじゃない?それを伝えたかったんじゃない?」と杏子さんが言ったときだった。
" ちがう "
と、はっきり受心した。
わたしもビックリだった。
さて… どうしたものか…
少し悩み、やはり力になりたいと、思いきって杏子さんとB﨑さんの会話に割り込んだ。
「あの… なんかね、ちがうって言ってる気がする…」
「なにが?」
「その… ひと 」
「Y貴さん?」
「かな?」
「なんて? なんて、言ってる?」
「子どもじゃないって。妻、だって…」
「妻… ってことは、B﨑さんのお姉さんってこと?」
「心配なのは、妻だってっ!!」
思わずわたしは声を荒らげてしまった。
ふたりはビックリしてわたしを見た。
あちゃちゃ、なにやってんだ?わたし。
(つづく)