見出し画像

桜もちパイ

今日は一日バイトだった。


長丁場で疲れたので、
帰りにマックに寄った。


桜もちパイを買った。


そうだ。
言うのが遅くなったが、
これは、桜もちパイのレビュー記事ではない。


味の感想なんて伝えるつもりはないし、
そもそも伝えられない。


強いて言うなら、
しょっぱくて甘くて脂っこかった。


ほらね。
このレベル。


さて、夜のマックに立ち寄り
桜もちパイを一つ注文する。


286番のレシートをもらう。


この番号が呼ばれれば
商品を受け取れる。


僕の前にはすでに何人か並んでおり
出来上がり番号を呼ばれるのを待っている人が
すでに何人かいた。


でも、僕の商品は
桜もちパイ一つだから、
すぐに呼ばれるだろう。


そう思ってレシートの番号を確認し
ポケットにしまう。


すると、すぐに僕の番号が呼ばれた。


286番。


すぐに呼ばれた。


すでに待っている人が何名かいたから、
その方たちには申し訳ないが、
確かにパイなんてただ袋に入れるだけだもんな。


他の人よりも早く呼ばれるのも納得だ。


受け取ろうとカウンターに向かいだした瞬間。


カウンターに手を伸ばす人がいた。


イヤホンをし、スマホをいじりながら
待っていたおじさん。


驚きすぎて、僕の足は止まる。


もう一度確認すると
確かに僕の番号だ。


でも、早すぎるから
確かに僕が間違えているのかも。


脳内は
なぜかおじさんを正当化しようとする。


トラブルを避けようとする防衛本能だろうか。


そんなことを考えていると
おじさんは「僕の」桜もちパイを手に取り
店を出た。


その後、何分かすると
「受け取りに来ない番号」が呼ばれた。


その番号の商品は
「ビックマックセットと桜もちパイ」だった。


あのおっさん、桜もちパイしかなかったことに
怒ってクレームとか入れるのかな。


でも、もしかしたら
番号を間違えて持ってきたことに
恥ずかしくなるかもしれない。


そう思いながら
店員さんに番号を見せる。


店員さんは首をかしげていた。


僕は、
「伝われ」と思った。


受け取りに来ない謎の商品。
すでに渡したはずの番号を持っている謎の青年。


ふたつが、繋がれ!と念じた。


しかし、店員さんは首をかしげたまま
桜もちパイを準備してくれた。


めちゃくちゃ早くできあがった。


僕が注文してから
あのおじさんが受け取るまでと同じくらいの早さだった。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?