ボトムアップ理論を大学バスケで実践!
チームの一体感を高める「ボトムアップ理論」の実践
最近、部活動の指導でチームの一体感がなかなか高まらず、どうすればよいか悩んでいました。そんな中で、変化を求めて導入したのが「ボトムアップ理論」というアプローチです。
ボトムアップ理論とは、選手が主体となり練習メニューを考えたり戦術を構築したりする、自主的かつ自立的な組織作りを目指す方法です。これまでの「トップダウン」型の指導では、指導者が全てを決め、選手は指示に従う形が一般的です。しかし、サッカーの畑喜美夫氏が広島県立広島観音高校でこの理論を導入し、インターハイ全国制覇を果たしたことから、注目を集める手法となっています。
私も本や資料で学んだ知識をもとに、このボトムアップ理論を少しずつ実践してきましたが、その中で見えてきた大きなメリットがいくつかあります。
1. 「課題を見つける力」の育成
一つ目のメリットは、選手自身が課題を見つける力を身につけられる点です。従来、課題を見つけて練習メニューを作るのは指導者の役割でした。しかし、選手自身が自分で練習メニューを考えることで、自然と日々の練習や試合に対する「問題意識」が高まります。この意識が高まると、試合後の振り返りも一層充実したものになり、選手の成長が加速するのを実感しました。また、学生が社会に出た後も自ら課題を見つける力は重要になります。プロになる選手であってもそれは同じだと思います。そういった意味でもスポーツを通じてその先の人生で役立つ力を身に着けられるのではないかと思います。
2. リーダーシップとアウトプットの増加
二つ目は、選手の「アウトプットが圧倒的に増える」点です。自分たちで考えた練習を実践することで、説明や指示も選手同士で行うようになります。リーダーシップが求められ、作戦を話し合う機会が増えるため、自然とチーム内でのコミュニケーションも活性化します。また、バスケットボールの指導者講習会で「インプットよりもアウトプットの方が学習効果が高い」ということを学びましたが、実際に選手たちが考えて発信する姿勢を見ていると、まさにその通りだと感じます。
3. 指導者の視点が広がる
三つ目のメリットは、指導者が全体や個人を俯瞰的に観察する余裕が生まれることです。全てを指導者が決めていた時には、細かい指示や時間配分に追われ、全体を把握する余裕がありませんでした。しかし、選手に任せる部分を増やすことで、指導者自身が「俯瞰的視点」でチーム全体を見渡せるようになり、一人ひとりの成長や課題にも目が届きやすくなりました。
ボトムアップとトップダウンのバランス
ボトムアップ理論の実践は、すべてを選手に任せるということではありません。必要な場面では指導者の指導が欠かせませんが、選手が主体的に考え、判断する割合を増やすことで、成長が加速することを感じます。これまでの自分の指導が「トップダウン型」に偏っていたことを反省し、今後は「ボトムアップ」の要素を意識的に取り入れていきたいと考えています。
まとめ
もし、部活動やチーム指導で行き詰まりを感じている方がいれば、一度「ボトムアップ理論」を取り入れてみることをおすすめします。指導者も新しい視点でチームを見ることができ、選手の成長を引き出すきっかけになるかもしれません。
P.S. メンタル系の内容についてもブログで多く書いていますので、そちらもぜひご覧ください!