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モノづくりの肝は品質向上!より良い商品を目指して行っている4つの対策

アフリカ・ケニアでモノづくりを始めて6年目。
「ケニアで仕事をしていて何が一番大変だと感じますか?」という質問をよく頂きます。

質問者の方は大抵「文化の違い」や「停電」「コミュニケーションの問題」といった答えを予想されるのですが、私がいつも最初に思い浮かべる答えは「品質向上」です。

華のない答えだな…とは思うのですが、これが本音。ケニアでモノづくりを続け、日本で販売を続けるためには、製品の品質向上は不可欠です。

品質アップに向けての話を書こうと思ったら書きたいことがありすぎて、むしろどこから始めようか、と悩みましたが、まずは私の仕事のご案内も兼ねて、ケニア現地で行っている4つの対策をご紹介しようと思います。

今回ご紹介するのは次の4つです:

①個人個人に向けて細かいフィードバックをする

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2020年現在、ケニアではORIKAGOのモノづくりに携わっている女性たちが260人近くいます。そのほとんどの女性たちは農村部で離れた地域に暮らしていて、月に1~2度の集会で顔を合わせ、品質の話し合いなどを行います。

代々続いている工芸品なので、今まで何度も国内外の業者さんの注文を受けてきた、という女性たちもいます。ところが、詳しく話を聞いてみると、そうした女性たちの多くに共通しているのが「今まで商品についてフィードバックをもらったことがない」という点でした。

要するに、例えば注文が100個であれば、多めに作って、良い品質と思われるものだけを選んでいく、ということ。残されたかごがなぜ選ばれなかったのか教えてもらうことは少ない、という話でした。その結果、何年続けても上達せず、選ばれなかったことでモチベーションも下がって辞めていく人もいたそうです。

現地で本格的なモノづくりを続け、長期的にかのじょたちと仕事をするためにも、この問題を真っ先に片づけなければ!と考え、数年前から「通信簿」のようなシステムを始めました。かごの査定の際に、各作り手さんに対し、査定担当者が気付いた問題点などを細かく書いていき、書いた写しを毎回渡しています。作り手さんはその通信簿を参考に改善点を知ることができますし、直し方が分からないときは集会で上手なメンバーからアドバイスをもらうような仕組みを取っています。

機械ではなくハンドメイドだからこそ、問題点を知ることができても改善までは人によって掛かる時間は様々ですが、この対策を始めるようになってからは女性たちにも自信が付き、より品質へのこだわりが見られるようになりました。

②少数のエキスパートを育てる

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私がケニアを訪問する時は、各集会に顔を出し、女性たちにお客様の声を紹介したり、品質の問題点の話し合いをしています。ただ、260人全員に日本で求められている品質を理解してもらうのは中々困難。

そこで、提携工房で品質のエキスパートを育てています。

私が日本にいる間は、彼女たちが私の「目」です。

納品されたかごは、一つ一つ細かく、裏返したり中身をひっくり返したり、時には糸の本数を数えたりしながらチェックしていきます。色落ちはしていないか、歪みはないか、糸のほつれはないか、自立するか… 最低4人の担当者が一つのかごをチェックするので、細かな問題点を気付きやすくなりました。

エキスパートを育てる方法についてはまた細かくご紹介することとしますが、王道のマニュアル作成やトレーニングの他に、女性たちが楽しく学べるようなネット通販の疑似体験ワークショップや絵の具を使った色の作り方の研修など、様々な方法で品質向上の必要性と大切さを納得してもらえるよう工夫しています。

問題点によっては彼女たちの方が敏感で、私が指摘されることもあるくらいなので、とても頼もしいです。

③マニュアルは常に更新する

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実は私は、元々生産管理やデザインの勉強や仕事をしていたわけではありません。未経験で始めたため、最初の頃は品質基準をどう設定していいのかも分からず、商品を見ながら直感的に問題と感じるところをまとめながらガイドラインを設定していました。

最初に作成した査定マニュアルは、確か3ページ程だったように思います。

ところが、いざ製品を作り始めると、あれよあれよと問題が発覚。私のデザイン表が簡易すぎて伝わっていなかったり、壊れた製品がそのまま届けられることもありました。日本のお客様にも色々ご意見を伺い、必ずメモし現場に伝えるようにしていく内に、マニュアルのページ数もどんどん増えることに。

今では、各バスケット担当者に40ページ以上のクリアブックを一人一冊ずつ渡しています。そこには査定の時間割表や役割分担、染料の入ったボトルの呼び名(小さいものは「瓶」、大きなものは「ボトル」等)、糸の太さを測るときに方法など、これでもか、と細かな指示が詰まっています。

40ページでもまだ足りないくらい… サイザルのかご作りは本当に奥が深く、まだ分かっていないことも多いので、毎年年末になるとスタッフ全員にインタビューしてその年に学んだ改善点、問題点を教えてもらい、マニュアルを修正しています。

「できたら終わり」ではなく、「活きたマニュアル」にすることが現場での学びにつながり品質改善につながっています。

④自分の仕事に誇りを持ってもらう

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かごを作る女性たちは、ほぼ100%生活のためにかご作りをしています。アートとして独自のセンスで作品を作る女性もいますが、ORIKAGOに関わっている女性たちはどちらかというと、自分の持っているスキルを活かして収入につなげたい、という意図が強いです。

ただ、毎週渡される注文表通りに製品を作っているだけでは、中々作っているものに愛着も湧かなくなってくる場合もあります。更に言うと、現地の市場や一部のお店では、サイザルバッグは丈夫だからこそ雑に扱われていることも多く、床に山積みになって放置されていることもあります。壊れたかごも平気で売られ、平気で買われています。

その光景に慣れてしまっている女性たちにしてみれば、多少かごに歪みがあっても、糸のほつれがあっても、そこまで頑張ってこだわらなくても…という気持ちになってしまうのは何となく理解できます。

「あなたたちが頑張って作ってくれた製品は、こんな素敵な場所で販売されています。お客様が嬉しそうに選んでくれてますよ!」というメッセージを込めて、定期的に日本の店舗販売の写真を送るようにしています。

棚にレインボー順に並べられたかごや、本革でグレードアップしたかごバッグを見ると作り手さんは大喜び。そうした写真を見ると、やはり作り手さんも思うところがあるのでしょう。私たちの改善案により耳を傾けてくれるようになります。

まとめ

以上、簡単ですが、品質改善に向けてケニアで行っている対策の一部をご紹介しました。

本当は各対策について1記事掛けるくらいエピソードも満載ですが!そうしたエピソードも少しずつご紹介できればと考えています。

6年続けてきて、前に進んでいるのか分からなくなる時の方が多いのですが、在庫室を見渡して、美しく整ったかごがたくさん並んでいるのを見ると「やってきたことに少しは意味があったかな」と少しホッとします。

ですが、そこで慢心してはダメ。より一層、皆さまに喜んでいただける製品を作り続けるためにも、工夫を凝らして頑張ります!

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かご専門店ORIKAGO 代表 岡本ひかる
Twitter: @Hikaru_Amber
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ORIKAGOのHP:  https://www.orikago.com
運営会社アンバーアワーのHP:  https://www.amberhour.com

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