評価から原因を導くために大事な3つのこと
リハ塾の松井です!
臨床で推論する中でこんな悩みありませんか?
・どのように評価を進めたらいいのか分からない
・評価結果からどのように問題点を導くのかが分からない
・どんな勉強をしていいか分からない
評価は患者さんや利用者さんの問題点を把握するためには必須の技術です。
決して簡単ではないですし、僕が完璧にできているかというとそうではないですが、僕なりに評価において大事だと思う要素を挙げてみたので、参考にしてみてください!
評価において重要だと考えるのは以下の3つです。
・何を評価したい、しようとしているのかが明確
・解剖学、運動学に基づく、組織の位置関係や運動時の動きの把握
・評価結果の解釈ができる
それぞれ解説していきますね。
何を評価したい、しようとしているのかが明確
これって当たり前のようで意外と難しいです…。
例えば、SLRを評価に用いたとしましょう。
同じSLRでも他動と自動で行うのでは、評価における意味が全く異なります。
他動でのSLRは、主に挙上側のハムストリングスの柔軟性や坐骨神経痛など腰下肢痛の評価として用いられます。
自動でのSLRは、下肢伸展挙上における筋力やコアマッスルの筋力評価、椎間板の不安定性由来の腰痛などの評価として用いられます。
他動でSLRを行ったとして、柔軟性の評価としての視点しかなかったら、坐骨神経痛など疑わないでしょうし、ただハムストリングスをストレッチして終わるかもしれません。
大事なのは、何のためにその評価をするのか、その評価によって何が分かるのかを明確にして評価するべきということ。
そのために、様々な研究がされているので、臨床家でも論文を読む必要があると思っています。
例に挙げたSLRだけでも、様々な見解がありますしね。
解剖学、運動学に基づく、組織の位置関係や運動時の動きの把握
やはり基本が大事で、解剖学と運動学は特に大事です。
解剖学が分かっていないと、痛みを訴えられてもどの組織が痛いのか予測することもできません。
関節運動によって痛みが生じても、その運動によってどの組織に、どんな動きが加わっているのか分かりません。
なので、仮説を立てることもできないので、どんな介入をしてよいのかも分かりませんよね。
例えば、股関節伸展で痛みが生じたとしましょう。
股関節伸展で痛みが生じるのは、1つの仮説としては筋肉の伸張痛が考えられます。
ですが、股関節伸展で伸張される筋肉は複数ありますよね。
・大腿直筋
・腸腰筋
・大腿筋膜張筋
・縫工筋
・長内転筋
・恥骨筋
これらの筋肉の内、どれが痛みに関与しているのかを考えるためには解剖学と運動学の知識に基づいた評価が必要です。
大腿直筋であれば、膝関節屈曲+股関節伸展で最も伸張されますし、大腿筋膜張筋であれば、股関節伸展+内転+外旋で最も伸張されます。
このように、各筋肉がどうしたら最も伸張するのかを知っていないと評価もできませんよね。
評価結果の解釈ができる
これもかなり重要。
評価ができても、結果の解釈が飛躍的すぎるとせっかくの評価もあまり意味がありません。
と言うより、先に挙げた2つがしっかりできていれば、過度に飛躍した解釈はしないとは思いますが…。
例えば、右肩が挙がらないのは肝臓を包む膜を介して肩の筋膜に繋がっているから、とか。
正直、肝臓と肩の繋がりについて僕は詳しくないので、これが正しいか正しくないかは分かりませんが、そもそもどうやって評価するの?って思いますし、肝臓へ介入するとしても触れないので無理ですよね。
(深く圧をかければ間接的には触っているのかもしれませんが…。)
ここまで過度な飛躍的解釈はそんなにないと思いますが、割とよくあるのが、膝OAで膝が痛いとなった時に、「軟骨がすり減っているから」とか「筋力を鍛えましょう」とか。
そもそも、軟骨には侵害受容器がないので痛みは感じないので、問題となるのはアライメント不良による周囲の靭帯や筋肉、脂肪体などへのメカニカルストレスや炎症などです。
筋力低下も痛みの原因とはなるかもしれませんが、ちゃんと評価しないで筋力低下が原因と決めるのは違いますよね。
評価に基づいてそう考えて介入し、その結果痛みが軽減するのなら良いと思います。
まとめ
たぶん、皆さんが悩むのは痛みや機能障害に直結する問題点の探し方だと思いますが、評価がしっかりとできれば簡単とは言いませんが、少しずつ問題点に近づけるはずです。
評価もしっかりできないのに、問題点が分からないというのなら、まずは評価をしっかりとするべきです。
そのために、どんな評価方法があるのか、その評価はどんなことが分かるのか、どんな時に用いるのかを勉強しましょう。
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