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その腕に恋してる


毎度、美容師さんてすごいなぁと思う。


今日、パーマをかけてきた。

ふわふわと柔和そうな雰囲気になり、
大いに満足している。

はやく誰かに見せたくなるし、
この髪形に似合う服を選びに行きたくなる。

さっさと髪形を変えたくなってしまうタチなのだけど、
その割に明確な注文がつけられないので
漠然としたイメージを伝えるだけで
あとは何とかうまいことやってもらえる、
そんな安心感のある美容師さんは
本当に貴重な存在だ。

いま通っている美容院は
大学入りたての頃に見つけて、
それ以来だからもう4年くらいお世話になっている。

ずっと同じ方にお願いしているのだけど
昨年だったろうか、
結婚してちょっと旅に出る、南のどっかの島にいくと言っていなくなってしまい、
無期限休業中に。

その人が戻ってくるまで、
全然生活圏じゃない駅の美容院に浮気してみたりもした。

けれどイマイチ納得いかなくて、
さてどうしたものかと思っていたら
いつの間にやら帰ってきていて
再び安心して頭を委ねている。

拙い言葉を汲んで、
いつも良い感じの髪型に仕上げてくれるなんて
腕もセンスも本当に良いんだなと思うし、
この人に任せておけば大丈夫と思わせてくれる
その安心感、信頼の厚さ。

すべては文字通り腕一本。

髪は切ってしまったらもう取り返しがつかない。
パーマもカラーも、
気にくわないと言ってもう一回やったって
髪へのダメージは重なっていく。

たった一回の失敗だって
そのお客さんにとっては何か特別な運命の日の直前かもしれないし、

ちょっとの「なんか違う」だけで
もう指名されなくなるかもしれない。

にんげん相手の、リスキーな商売だ。

毎日そうやってお客さんの相手をして
髪型をつくって
私みたいなよくわからない要望を伝えてくる客にも応えて

美容師さんてほんとすごいな、、、


以前彼女がそうだったように、
美容師さんという生き物は
唐突に旅に出たくなるらしいのだけど、

新たに信頼の置ける相手を見つけるのは
なかなか難しいし、
こちらとしてもリスキーなこと。

願わくば末永く、
気に入った人にお願いしたいものだ。


もうどこにも行かないで、
と恋人のように願う美容院帰りのバスの中。



#美容院 #髪 #美容師さん



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