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邦画史上燦然と輝く超大作「北京原人 Who are you?」を観た!!【ネタバレ含】

ウパー!「北京原人 Who are you?」は1997年東映が20億円をかけ製作した超大作だ!興行収入約5億円!!そう!大赤字!!日本が誇る珍作である。「ぽすれん」を使い、今回私はこの幻の大作の視聴に成功した。ネタバレを含むが、この感想を述べていきたい。

・不運に次ぐ不運!
まず今作は制作段階からグダグダだった。監督はキーハンターやGメンも手がけた佐藤純彌、脚本は花へんろや夢千夜日記を手がけた早坂暁と大御所タッグ。置きにいけば普通に素晴らしい作品が出来たはずである。が、東映社長が「北京原人が生きていたら面白い」みたいなことを発言してきたことで一気にボケ始めた!そして、公開時期に丁度「タイタニック」の大ブレーク!今でいう鬼滅の刃ブームに放り込まられたトンカツDJみたいなものだろうか。。。出演は、緒方直人さん、丹羽哲郎さん、北大路欣也さん、(カーチェイスした翌年あたりの)坂上忍さん、(多分デビュー作の)小野賢章さんとそこそこに豪華。誰か途中で止められなかったのだろうか。。。

・恣意的なざっくりしたあらすじ
緒方直人らはわざわざ宇宙で北京原人を甦らせることに成功する。が、極秘プロジェクトだったのに北京原人が入ったカプセルが沖縄かどっかの島に不時着。北京原人は三人家族で自給自足の生活を行っていた。「同じ人類であること」を示す為に片岡礼子さんは上半身裸になり、当然裸の北京原人と接触。仲良くなる。なんやかんやで施設に連れてかれた北京原人は赤い服を欲しがる(最大の伏線)などで人間を驚かせた。そして、北京原人達は実業団の陸上大会に出場することとなり、世界中を驚かした!が、北京原人がまともに競技ルールを守れるはずもなく脱走。父子はなんか中国グループに捕まる。母は施設に戻るが衰弱。父子は中国へ連れていかれ万里の長城へ行ったり色々と使われるがやっぱり脱走。そんな中「北京原人にも人権があるはずだ」という人権問題を描くと思いきや「北京原人は中国のものじゃないのか」という国際問題に発展するかと思わせつつ、緒方直人は「母を中国に返すべきだ」と領空侵犯とかそっちのけで中国へ。北京原人3人は奇跡の再会を果たす。「ウパー!」当初は「子供」を指す言葉と考えられていたが、「仲間」と判明した。そして、赤い服を欲しがっていたのではなく故郷の「赤い山」を懐かしんでいたと判明した。日本人二人と中国人一人は「ウパー」と認められたが、これ以上行動を共にする訳にはいかない。別件でロシアにて復活してたマンモスに北京原人家族は乗り込んで赤い山へと帰って行ったのであった。

・なんだこれ!?
泥酔して書いたんか!!訳わかんないぞ!!!非常に恣意的というかちょっと事実と異なってしまっているかもしれないが、だいたいこんな物語である。人権問題とか国籍問題とかそう深く踏み込むことはなくさらっと終わる。そして、勝手に北京原人を再生させて陸上大会出してたら大問題になりそうだが、そこもそう描かれない。当然領空侵犯を咎められることもないし、種の繁栄しようがない北京原人をただただ山に還してどうなったかなんて知らない。いろんなことを視聴者に丸投げして終わるのだ。心の底から何がしたかったんだろう?そして、製作費20億円かかるだけあって、北京原人の造形、宇宙やロケット映像は1997年にしてはかなりよく出来ている。万里の長城ロケも大迫力で素晴らしい。しかし、よくもこんなシナリオでこんな金をかけたものだ。資金回収できると思っていたのだろうか。真面目に作ったのかボケに行ったのかもよく分からない。誰も止めなかったのだろうか。そして、何よりもこの映画を通じて我々に何を伝えたかったのだろうか。様々な謎が残るが、残念ながら監督も脚本家もお亡くなりになられてしまったので永遠の謎である。

・まとめ
総合的に考えたら、私はこの映画、好きだ。「そういう目」で観たら結構楽しい。ここまでだと逆に観たい!と収益上がりそうなもんだがキッチリ大赤字に終わったのも凄い。タイタニック現象で一般人にまで伝わらなかったのかなぁ。いずれにしろ、これはカルト映画として歴史に名を刻んでいる。だから、TSUTAYA DISCUSさん「在庫切れ」は勘弁してよ。映画館で観たい人は少なかったかもだけど、低価格レンタルしたい人は結構いるんじゃないの!?
「北京原人 Who are you?」邦画史上燦然と輝く超大作に違いありませんでした!感動をありがとう!!

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