今日のタスク
今、タスクが完了。
静かに深呼吸。
大丈夫。
今日こそは、今日こそは。
足音を立てないように。
それでも動きはどこまでも機敏に。
離れたら少し気が緩む。
ゆっくりと冷蔵庫を開けたら、食べかけの夕飯をいただこう。
本当は電子レンジを使いたいけど、ブーンいう音が頭をよぎって躊躇した。
水分はしっかりとっておかなければ。
湯掻いただけのブロッコリーは常備菜だ。
冷たいご飯を頬張り、お茶で一気に流し込む。
食器はとりあえず水に浸けておく。
とにかく音を出さないように。
5分で完了。
だいぶ気が緩む。
今日こそは、大丈夫なんじゃないか。
さぁ、後いくつのタスクを完了できる?
歯を磨き、本日2度目の風呂場へ直行。
髪を洗って顔も体も一気に洗って。
短く切った髪はタオルドライで終わらせる。
10分で完了。
フウーと息を吐き。
携帯を手に取ろうとしたその時。
寝ていた息子の目が開いた。
ハッと息を吸う息子の顔が見える。
ダッシュで駆け出した時にはもう遅い。
今までの静寂が嘘のように、大きな泣き声が部屋中に響き渡った。
睡眠不足の脳みそに刺さる力強い泣き声。
何年たてば、好きなだけ寝られるようになるのだろう。
赤ちゃんとは、弱くて強い生き物だ。
今日は15分くらいは寝てくれていただろうか。
しばしの息潜めタイムが終了し、息子を抱っこする。
『はいはーい、まだ眠たいよねー。
おやすみしようねー。』
片手で背中を優しくトントンと叩くと、また小さな寝息が聞こえ始めた。
とてつもなく、かわいい。
5分経ったころ、ゆっくりと腕枕をした状態で息子を布団に下ろしてみる。
5分経ったころ、ゆっくりと腕枕を外そうと試みる。
寝ていた息子の目が開いた。
ああ、失敗だ。
穏やかな寝顔から一変、苦痛の表情に変わる。
大きく息を吸い込んだその時。
ーーーーーーーーーー
ハッと目が覚めた。
『えー!7時回ってる!』
私は飛び起きると大声で息子の名を呼び、奥の部屋へと直行した。
『早く起きて!遅刻するよ!』
『まだ眠い、後5分・・・』