五十肩を武器にしたオトコ #1
これは放課後等デイというところでのお話し。
にぎやかっだった時間も過ぎた秋の黄昏時。そとにある空っぽのプールのなかで、スタッフの梅さんとメンバーのK君はプラスチックボールでひっそりじゃれあっていた。
梅さんは、ボールを屋根の上になげてK君をよろこばそうと少しだけ必死だった。ただ、なんどやってもボールは屋根の下をかすめ上にはあがらない。ぼくは車中からその姿を見て確信していた。腕も肩もあがらず、手首をビミョーにつかい、ミッキー・ロークの猫パンチのように投げる梅さんは五十肩に違い