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日々の余白を大事にできたら

日々生きているだけで、やることがたくさんある。歯を磨き、仕事をして、買い物へ行き、ご飯を作って、お風呂に入って、それから、もっとささいなことが本当にたくさん。

もっと心にも時間にも余白があったらと思うけれど、余白をつくるって簡単なことではない。


気づけばやることに追われて、やりたいことは後回し。一日中仕事のことを考えてしまう日もあるし、やりたいことに時間を使う暇なんてない、と思ってしまうことも。

そんなときは大抵、今に集中し過ぎているので、少し今から離れて、長い時間軸で日々をみつめてみる。

「今のままでは嫌だな、限りある時間を、もっと別のことに使いたいな」

自分の気持ちに向き合ってみると、心のなかにぽつりぽつりと本音がこぼれてくる。

「パソコンやスマホを見続ける人生よりも、大切な相手や美しいものを見る時間が多い人生がいい」

「昼間はずっとパソコンを見ていることも多いから、夜は大好きな愛犬の目を見て、たくさん話しかけよう。キャンドルを灯してのんびり過ごしたり、夫とたわいもない話をしたりしよう」

時にはちょっとした気合と計画性も必要だと思う。たくさんのやるべきことの中からぐっと抜け出して、やりたいことを叶えるために。本当に行きたいと思う場所は計画を立てて、後回しにせず行ってみる。

そうして私は数日前から予定を立てて、仕事の合間を縫って近くの美術館へ向かった。

静かな空間で美しい作品を見ていると、じわりと心が動いた。余裕のなかった心のなかに、余白が生まれていくのがわかる。

帰り道、肌の上をふわりとすべる風が心地よかった。行きと帰りで、自分のなかを流れる時間が変わったのを感じた。軽やかで、満たされていて、ゆったりした気持ち。

こんな時間の過ごし方が好きだし、もっと日々の余白を大事にしたいと思う。

たくさんやることがあって簡単ではないけれど、諦めたくはない。大事にしたいものは何か、時々点検しながら、余白を愛せる自分でありたい。

余白のある幸せな日々が、大事なものを大事にする時間が、少しでも多く人生にありますように。


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