病院の夜勤での悲しい出来事
これは私が病院で働いていた頃の夜勤のお話
以前勤めていた病院の病棟の夜勤は、40人ほどの患者さんに対し、看護師2名と看護助手さん2名でした。
夜勤に入るのは17時から。
夕食後の下膳、与薬、点滴、経管栄養、検温、重症者のケア、と、21時までは目が回るような忙しさの中、こまねずみのように動いていました。
これはホントに何時もの光景。
そんな時、おむつ交換に回っていた看護助手さんが
「〇〇さん、呼吸をしていません!!」
「え!!」
申し送りでも特変のない患者様で、検温に行くのはこれから・・・
同僚に声をかけつつ走って行くと
いつも元気な患者さんが、眠ったように静かな表情。
本当に息をしていません。
ここからはもう色んな対応が同時進行で始まります。
結果的にその方はその後お亡くなりになってしまいましたが・・・
いつもニコニコとても優しい方でした。
私は
「大事な時に側にいてあげられなくてごめんなさい・・・。」
という思いで一杯でした。
看護師の仕事をしていると、お看取りの機会は多いですが
このように突然、という事も確かにあります。
その中で、あの夜の事は忘れられない事の一つです。
病院や施設では、お看取りの機会も多く、命があと僅か、となってしまった時でも、ずっと側にいてあげられない現実がありました。
「側にいてあげられなくてごめんなさい・・・」
何度そう思いながら仕事をした事でしょう。
ご家族に前もってご様子をお伝えするのはもちろんですが
ずっと付き添う事の出来るご家族は、そう多くはありません。
心を込めてお看取りするのは看護師や看護助手さんや、介護士さんの役目の場合も多いのですが、忙しさ故に
側にいてあげたいのにそうしてあげられない辛さは
きっと私だけじゃないと思います。
「大事な時は、側にいてあげたい」
そんな想いが今のお仕事に繋がっています。
今の家政婦としての仕事は、心を込めて最期まで寄り添う事が出来ます。
「最期の時は、きっと誰かが寄り添っていられますように。」