自殺学
自殺学
「青少年のための自殺学入門(寺山修司著)」には、自殺機械の作り方、上手な遺書の書き方など自殺の方法論が細かく記されていますが、自殺することをすすめるものでありません。寧ろ、"死"をテーマに"生"について意識を向ける自殺ができなくなる一冊です。
自殺は他殺
今の社会における自殺の多くは他殺と記されています。例えば、死の理由が逃避である場合、その原因は外部にあり、その外部要因による他殺と説いています。元東京都監察医務院長の上野正彦医師も「自殺の9割は他殺である」と記していますが理由は同じです。他殺が自殺と偽装されているわけではなありません。自殺をした人のその死の要因を探ると、結果的に外部要因に基づき自殺をしている。つまり、その外部要因により引き起こされた死であり、自殺という名の他殺であるという意味です。
自殺のライセンス
「青少年のための自殺学入門(寺山修司著)」では、自殺にはライセンスが必要で、"不足"を理由に自殺することは、ライセンス付与条件を満たさないそうです。人生において物心共に十分に満たされた状態であることがライセンス付与の条件なのだそうです。この条件を満たす自殺者は、恐らく数えるほどしかいないでしょう。
自殺というキーワードへの示唆
一般的に言われている"自殺"問題を考える際、外部要因("他殺")が問題と捉えると答えも変わってくるのではないでしょうか。自殺問題を考える際の大きな示唆でもあると考えられます。
自殺問題を考える際に
気が滅入った時、死にたいなぁと思った時にこの本を読むと、まだ死ねないなと思うことになるかもしれない不思議な書です。哲学的ですが、現代社会問題の捉え方を学ぶにも適しているのではないかと思います。
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著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー)
●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援
●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート
●連絡先:harada@hikariba.com