事故対応テキスト「ASUKAモデル」
NHKの番組知った「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」。
これは2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒れ、死亡するという事故が起こったことが契機となっています。事故の検証と反省を踏まえ、さいたま市教育委員会教育長がご遺族に呼び掛け、それにご遺族が応える形で、専門家も交えて一緒に作成されることになったものです。
誰でもダウンロードしてファイルを閲覧することができますので、学校関係者及び子供たちに関与する仕事をされている方には、ぜひ一度、目を通していただきたいと思います。
一度見ている、経験しているだけでも対応の幅が広がります。知らずに対応ができないことで救える命が失われてしまうということが無いよう、常にこのような有益な資料や情報は、関係者に広く知って役立てていただきたいものです。
この資料が作成させた経緯にもう少し触れておきましょう。
この死亡事故の検証の結果、明日香さんが倒れた直後に「けいれん」や「死戦期呼吸」と呼ばれる「ゆっくりとあえぐような呼吸」があったために、教師らは心臓が止まっているとは思わずに、校内にあったAEDを使わなかったことが判明しました。
救命について特別な訓練を受けた訳ではない教職員に判断せよということ自体が酷な話ですが、現実問題として判断をしなければいけないというのが実態です。
そこで、二度と同じような形で児童生徒の命を失わないようにということで、特別な訓練を受けていない教職員でも、同様の事案が発生した際に迷わず判断できるような手順にまとめられている点が、このテキストが他のマニュアルとは大きく異なる点ではないでしょうか。
簡単に解説すると「わからない」場合にも次のステップに進めるように手順が説明されています。この「わからない」というのは、現場ではよくあることです。「わからないからどうしようか・・・」「もしかしたらこれなら大丈夫かも・・・」ということで対応が遅れてしまわないよう、積極的にAEDを活用するという形で手順がまとめられています。
表紙や裏表紙、目次など含めても16頁の資料ですから、学校・教育関係者であるならば、ぜひ一度目を通してください。
それによって救える命が一つでも増えることに繋がるのですから。
<ダウンロードは↓こちらのさいたま市教育委員会の公式サイトから>
著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー) ●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援 ●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート ●連絡先:harada@hikariba.com