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【感想】ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

*サムネ写真に意味はありません。
最近行った参観日で撮った我が子が描いたひまわりです。

2022年
法廷ヒューマンコメディドラマ
全16話 

あらすじ
天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を持つ、大手法律事務所の新人弁護士 ウ・ヨンウが様々な事件を解決し、真の弁護士に成長する、ヒューマン法廷ドラマである。

出演
ウ・ヨンウ:パク・ウンビン
イ・ジュノ:カン・テオ

感想

※ネタバレではないにしろ、ドラマの内容に触れる記述がありますのでご注意ください。

韓国語を勉強している私は日頃から韓国語や韓国文化についてのpodcastを良く聞いている。
ある時どこのpodcastでも話題に上がった『ウ・ヨンウ』の名前。
最近あまりドラマは観ていなかったけど、これは観るしかないと一念発起。
だってドラマ長いじゃん。
韓国ドラマは特に長いじゃん。
一話の時間もシーズンの話数も。
ハマりだしたら家のことが疎かになるって分かっているからこそ避けていたけれど、観たい。
たまたま最近Netflixに加入してしまったのも運命でしょう。

結果とっても面白かったです。

もちろん自閉症のあるヨンウが成長し活躍する様は本当に面白かった。
けれど私の心を攫っていったのはイ・ジュノ氏。
小さい頃から少女マンガを読み漁っていた私にとってジュノは完璧な少女マンガのヒーローだった。
まるで王子様。
ジュノがとろけるように笑う度に私の心はときめき、ジュノが恋煩いをする度に私も一緒に悶えるのだった。
とにかく優しいところが良い。
でもあまりにも心変わりがなく一途なので、もしかして当て馬なのではとも思ったくらいだ。
でもヨンウは表裏ある人間は嫌いそうだし、ジュノ以外はありえないのか。
ヨンウのために作られたヒーローなんだろうな。
ひとまわりもふたまわりも大きな包容力で包んでくれるジュノ。
個人的に俺様系ヒーローのラブロマンスよりは甘々の優しさはドンピシャに幸せを私に運んでくれた。
でもこんな男性は現実にはいないんだよな。
本当に魔法使いくらいファンタジーな登場人物だよ。

そのジュノと正反対と言っても過言ではないクォン・ミヌ。
このドラマの中で一番捻くれたやつだったけど、私は割と嫌いじゃなかったな。
ドラマ観てるときは「キーッ!嫌なヤツ」と目くじら立てることも多かったけど、ヨンウの処遇について納得出来ないことがあると思ってるところは、分からんでもない。
ある意味世間一般の思う、障がい者の特別扱いや健常者と不平等だという意見を一気に引き受けたような存在だ。
でももうすでに障がいを持っている人はハンデを背負っているんだけどね。

それを踏まえた上で第15話でクォン・ミヌがチェ・スヨンと話していた内容が印象的でした。

彼女が僕らと違うのまだ分からない?
ウ弁護士は天才です。
勝手なことをして追い出されても"天才だから仕方ない"で済む。
でも僕らは違う。
同じことをしたら先輩に合わせられない面倒な後輩扱いをされる。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第15話より

彼のこのセリフはなんだかグッときました。
クォン・ミヌはヨンウを天才だということは分かっているし認めている。
それでいて、自分は努力したってその天才の土俵に上がることも出来ない。
自分は自分のやり方でのし上がって行くしかない。
彼の生い立ちもちらっと話されたけど、関係してるのかもね。

で、クォン・ミヌと対比されるのがチェ・スヨン。
スヨンもドラマが始まってすぐは、なんかちょっと嫌なヤツだったけど、だんだん変わってきた。
最初の印象的なシーンが

あなたは春の日差しみたい。
ロースクール時代から思ってた。
講義室の場所や休講情報、試験範囲を教えてくれて、私がからかわないようにしてくれた。
今もフタを開けてくれてのり巻きの日は教えてくれると言ってくれる。
あなたは明るくて温かくて、思いやりにあふれた人なの。
春の日差しチェ・スヨン。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第5話より

これはヨンウが言ったセリフだけど、これを言われたスヨンがなんとも言えない表情を浮かべる。
ここまでのスヨンのヨンウに対する態度ってすごく親切な訳じゃないし、ヨンウに何か困ったことがあったり目につく行動があっても「はぁ」ってため息ついてぶっきらぼうに助けてくれるような感じ。
スヨン自身も好きでやってあげてる訳じゃないけど困った人は無視出来ないから仕方なく助けてあげてるくらいのことだったのかもしれない。
でもそういう自分の態度を過大評価してくれるヨンウにどんな反応をしたら良いのか分からないっていうように見えた。
でも困っている人を助けるって簡単じゃない。
私なんか困っている人を助けたらいいことしたなって思いそうだけど、スヨンは別に何とも思ってなさそう。
ヨンウに関してだけかもしれないけど。

あとチェ・スヨンの好きなシーンもう一つ。

こら!
障害者差別は違法なの。
その成績で採用されないのは差別だよ。
どんな経緯でも、入社するのは当然なの。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 第8話より

このシーンはカッコいい。
スヨンに惚れてしまうやろ。
この辺りから私の中でスヨンはヨンウの味方認定された。
これもスヨンがヨンウを助けるシーンなんだけど、「助けてあげてる」んだけどそれは自分の利になるかそんなの関係ないというところがクォン・ミヌと決定的に違うところ。
クォン・ミヌがヨンウを敵視している理由の一つに、ヨンウが特別扱いされていることによって自分が損をする可能性があるって考えてると思う。
その点スヨンは正義感から差別は良くない、公平であるべきって思ってそう。
それも生い立ちのせいかな。

そしてウ・ヨンウ。
ヨンウは愛らしく親しみやすいキャラクターなんだけど、自閉症であるという点についてはうーんという感じ。
なんだか上手く行きすぎている感じが否めない。
例えば子供が出てくるドラマを観ていて、子供ってこんなに上手くいかないよなあって思ったりする感覚に似ている。
ジュノやスヨン、チョン弁護士だったりあまりに周りがいい人が多くて、チョン弁護士が入院した際に付いてくれたチャン弁護士みたいな人は誇張されてはいたけど、そういう自分の為だけに生きてる人って、いい人より多い気がするからある意味リアリティがあった。
まあ自閉症のリアリティを出しすぎてたらそれはノンフィクションな訳で、フィクションなんだから上手くいってもらわなきゃ困るってことよね。

仲間と切磋琢磨しながら成長し、絆を深め、純愛ロマンスも見れ、視聴後感も良い、上手くまとまったドラマでした。
ああ、ジュノに会うためにもう一度見てもいいくらい。

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