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宇宙童話 双子星からきた少年 Ⅱ
★◯僕たちの星のこと◯★
僕たちの星のことを少し話すね。
僕たちの星に住むたましいは、肉体を持っているたましいと肉体を卒業したたましいが共存しているんだ。
僕はね、最近、肉体を卒業したんだ。
でも、肉体を持っている時も君たちのことは覚えていたよ。
学校で双子星の地球についても習うからね。
僕たちの星よりもたくさんのたましいが生まれてくる場所だと聞いている。
それだけ、たくさんの経験ができるところだって。
だから、みんな夢中で地球のことを知りたがるんだ。
そして、地球にあるものを《創造》する。
僕たちの星は『創造の星』と言われている。
学校では《創造の仕方》を学ぶんだ。そして実際に《創造》をするんだよ。
地球では生み出すというのかな?
僕たちの星は、君たちの星よりも《創造》しやすいエネルギーに満ちている。
だから、イメージしたものを《創造》するのはそんなに難しくないんだ。
でも、一度《創造》したものは、自分で責任を取らなくてはいけない。僕だけの星ではないように、誰かだけの星ではないからね。
だから《創造》する前に家族や友だち、学校の先生と話し合うんだ。
それを《創造》することでこの星にどんな影響があるだろうってね。
僕たちの星の時間だと5年間くらい《創造》の授業を受けるんだ。
そして、最初は小さな物や自分の身の回りのものから順番に《創造》していく。
5年生くらいになると《小さな生き物を創造》することを学ぶんだ。
これは《創造》の授業の中でも一番大切な内容なんだよ。
僕は5年生のときに馬を《創造》したんだ。
地球の生き物についての授業で馬のビジョンを見たんだ。走っている姿がとても美しかった。
それでね、僕は馬を《創造》したいと思ったんだ。
僕はおじいさんと暮らしていたんだけど、おじいさんに馬の話をして、一緒に絵を描いたんだ。
色も塗って、その馬の家も食べる物も描いた。
夢に入るときに、おじいさんと一緒にこの馬が僕たちと楽しく遊んでいるところをイメージして眠りについてね。
朝になったら、お庭に馬がいたんだ。とっても嬉しかった。
肉体にいた間はずっと彼と一緒にいたよ。学校に行くときもね。友だちも彼を可愛がっていたよ。
学校が終わって、僕は街造りの計画に携わっていたんだけど、そのときも彼と一緒だった。
地球には魅力的な生き物がたくさんいるよね。
僕たちは学校に入ると、まず自分たちの星のことと双子星の地球について学ぶんだけど、もちろんほかの星のことも勉強するんだ。
でも、みんな双子星が大好きなんだ。どうしてかといえば、小さな生き物がたくさんいるから。とても可愛いしね。
うさぎやリスや犬は人気だね。
くじらやアシカ、鳥は僕たちの星にも、もともといるんだよ。
ちょっとむずかしい話になってしまうかもしれないけれど、小さな生き物の話のついでに聞いてくれるかな?
イルカは地球では動物という扱いだけど、僕たちの星では転生してイルカになって他の星とコンタクトをする役割のたましいもいるから、捉え方がちょっとちがうかもね。
イルカに転生出来るたましいは、場を清めたり、エネルギーを循環させたり、人を癒したりすることが出来るたましいなんだ。
だから、肉体に入って人として生きるときと、イルカになって海を泳ぐときとがあるんだ。
どちらも同じ役割なんだ。
姿が違うだけでね。
くじらも同じような役割で星にいるんだけど、僕たちの星ではくじらに転生するたましいはいないみたい。
ほかの星ではきっといるだろうね。
ちょっとむずかしかったかな?
聞いてくれてありがとう。
僕の弟だったたましいは、いまイルカになっているんだ。時々、海に行くとそばにきてくれるよ。
とても優しいたましいなんだよ。僕は彼が大好きなんだ。