妊娠検査薬の結果を見るのは私じゃなくても良いよね?と思い、夫にお任せしてみた話
そろそろ子供が欲しいなと思い、ゆる〜く妊活していた頃のお話。
毎月「もしかして妊娠しているんじゃないか!」という気持ちで、妊娠検査薬を使っていた。私が使っていた妊娠検査薬は尿検査で3分後に1本線が出ていたら陰性、2本線だと陽性というものだった。妊娠検査薬を目の前に毎回ドキドキしながら待つ。その3分がとても長く感じられたし、子供が欲しいという気持ちは間違いなくしっかりとありつつも、実際に妊娠していたら…という少し不安な気持ちも入り混じってあまり心地良いものではなかった。
落ち着いた環境で検査を行いたいという気持ちから、私は夫が家にいない一人の時間に検査薬を使うようにしていた。陰性だと分かると仕事から帰ってきた夫に「今月はダメだったみたい。」と一言伝える。そんなことを繰り返していくうちに、二人とも子供が欲しくて二人で決めたことなのに、なぜこんな不安な気持ちで検査結果を見るのは私一人なんだろうという疑問がわいてきた。妊娠出産は女性側への負担が圧倒的に多いにも関わらず、妊娠前から精神的な負担がこちらに多くあるなんて!となんだか腹立たしいような、ひとりぼっちで寂しいような悲しいような、そんな気持ちになったのだ。
そんな気持ちを抱えてまた検査薬を家に一人でいる時に使った日のこと。私はひらめいた!「そうだ、今回は夫に結果を見てもらおう。一回ぐらいこのドキドキを夫も味わっておいた方が良いに違いない!」と。幸い夫はあと数分で家に着くと言う。これはチャンスだ!よく考えると毎月結果を見るのに一人でドキドキする状況を作り出しているのは私自身だと気づいた。
いつも通り家に帰ってきた夫に「さっき検査薬使ったよ。」と伝える。夫はいつものように「そっか。結果はどうだった?」と聞いてくる。まるで自分は結果だけを知らされるのが当たり前とでも言わんばかりだ。これまでそうしてきたから無理もない。すかさず「分かんない。バスルームに置いてあるから結果を見てきてくれない?」と聞いてみると「えぇ!?俺!?」と驚きながらも少し嬉しそう。「どうなってたら妊娠してるの?」と聞いてきた夫。そうだ、いつも私から結果だけを伝えられる夫は検査薬の見方を知らないのだと気付かされた。これでは妊娠する前から当事者意識をもちにくいよなーと痛感させられる一言だった。「1本線だと妊娠してなくて、2本線だと妊娠してるよ。」と伝えると夫はすぐにバスルームへ向かった。ドキドキしながらリビングで待っていると夫が「1.5本の場合は?」と聞いてきた。「え?どういう意味?そんなのないけど。」と答えると「でも1.5本だよ。1本濃いのともう1本はすごく薄い。」と。
…時が止まったようだった。「えええええええ!?」と驚きながら夫の方へ行き、検査薬を確認すると…「これは2本!!妊娠してるー!!」と驚きのあまり涙が出てきた。夫は嬉しそうに笑っていて「一応他の検査薬でも試してみる?」とノリノリでその日は二人でドラッグストアへ向かった。
夫の「1.5本」という表現にはかなり笑った良い思い出になった。後から聞くと夫はこの時に限って私が結果を見てくるように言ってきたもんだから「陽性だと知っていたんでしょ?」と疑っていた。笑 本当に知らなくてたまたまだったことを伝えるとかなり驚いていた。
こんなふうに妊娠していることが発覚する瞬間も二人で共有することはかなり大切なのではと思っている。妊娠検査薬を使う時に女性主体じゃなくちゃいけないなんて誰が決めたのだろう。自分の中にあった固定概念を取り払って、その瞬間に夫を含められたことは、これから長く続いていく妊娠、出産、子育て期間にとても良い影響を及ぼす出来事だったと今でも思う。