ひかり

大学生です。読んだ本の感想が中心になるかと思います。

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最近の記事

「新たなるエヴァ」へ――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』について

 『序』と『破』の感想はこちらです。  この映画について何事かを語ることは難しい、非常に難しいと思う。初見では最初何が起こっているのか全くわからずただただ困惑するばかりだったし、全貌が見えたいまとなっても正直まだよくわからない部分が多い。ただこの「よくわからない」という点が、この映画が提示した新しさであり、それは言うなれば、今までのエヴァンゲリオンとは全く異なる「新たなるエヴァ」の方向へ舵が切られたということではないかと思う。  『序』の感想でも少し触れたが、そもそも『ヱ

    • あなた自身の願いのために――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』について

       『序』の感想はこちらです。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、「なぜ(何のために)戦うのか」という問いを示し、それに「とりあえずの」決着をつけるまでの物語だった。では、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はどうだったかといえば、『序』で示されたのと同じ問いに対して、「もう一度」決着をつけるまでの物語だったと言えよう。『序』におけるそれは、命がけでともに戦う皆のため、という何となくお仕着せのような印象も拭えない漠然とした答えだった。それに対して『破』では、そんな曖昧な答えはも

      • なぜ(何のために)戦うのか――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』について

         昨日今日と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の3作品を観ておりました。恥を忍んで言うと、私はこれまでエヴァンゲリオンという作品には全く触れたことがありません。ごく断片的に耳にしていた情報を抜きにすれば、これが紛うことなきエヴァとのファーストコンタクトでした。当然、95年放送のTVシリーズや旧劇場版は未見です。その状態で新劇場版についてのみ言及するのは本来であればよくないことなのかもしれず、また新旧作品の相違点を取り上げて話すことができないのは大きな制約であるとは思いますが、とりあ

        • 「もうひとつの」戦後史――成田龍一『戦後史入門』を読む

           成田龍一の『戦後史入門』(河出文庫、2015年)を読んだので簡単な感想を残しておきます。  『戦後史入門』と題されたこの本の眼目は、学校の教科書で誰もが習うようなオーソドックスな戦後史をなぞるというところにはない。むしろ、そのような教科書的な歴史の語りがしばしば語り落としてしまっているものを拾い上げ、歴史の教科書を読むだけではなかなか見えてこない「もうひとつの」戦後史像を浮き彫りにしてみせることにこそ重点が置かれている。 星野六子と永山則夫 『ALWAYS 三丁目の夕日

        • 「新たなるエヴァ」へ――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』について

        • あなた自身の願いのために――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』について

        • なぜ(何のために)戦うのか――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』について

        • 「もうひとつの」戦後史――成田龍一『戦後史入門』を読む

          未来に希望を託すこと――俵万智『未来のサイズ』を読む

          俵万智さんの第六歌集『未来のサイズ』を読んだので、簡単に感想を書かせていただきました。 俵万智といえば、現代歌人のなかで最も有名な人物であると言い切ってしまってもおそらく言い過ぎではないだろう。1987年に出版された第一歌集『サラダ記念日』は、歌集としては異例のミリオンセラーを記録し、その短歌は国語の教科書にも掲載され、現在に至るまで読み継がれている。その俵が7年ぶりに発表した第六歌集が『未来のサイズ』だ。2013年から2020年までのあいだに詠まれた418首の短歌が収めら

          未来に希望を託すこと――俵万智『未来のサイズ』を読む

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          はじめまして。ひかりと言います。 普段はTwitterで細々と活動しているのですが、そろそろ何か新しいことでも始めてみようかなと思い立ってこの文章を書いています。文章を書くのは割と好きな方だし、Twitterの短文投稿とはまた違った趣があるかなーくらいのめちゃくちゃ軽い気持ちです。「これが書きたい!」みたいな熱い信念も大きな野望も持ち合わせていないので、書く内容もそんなに大げさなことじゃなくて、読んだ本の感想なんかがおのずと中心になってくるかと思います。書き続けていれば、そ

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