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やまぐちせいこ著『ミニマリスト、親の家を片づける』

図書館で借りましたが、手元に置きたくて、改めて購入しようと思いました。

私は今実家に暮らして、自分好みの生活スタイルを貫こうと思うと、やっぱり独り暮らしはいいなあとも思います。

自分の意図しないところに物があること、自分の好みじゃない食材があること、自分と家族の様々なタイミングが合わないことなど、実家で過ごして思うとおりにいかないことは、確かにたくさんあります。

自分が今年の2月頃から砂糖を断つことを決めたときも、家には買い置きのお菓子が常にあり、甘い物を食べる習慣が完全に成り立っている環境は、本当に誘惑が多かったし、一人暮らしで断糖に成功している人に対しても、私も一人だったらもっと簡単にできるのにな~・・・・という思いがありました。(すみません。)

けれど、実家に暮らすメリットももちろんたくさんあって、私もそれを享受しているわけだし、大事なのは折り合いの付け方なんですよね。


この本では、断捨離でも最もハードルが高いだろうなと思える、旦那様のご実家が舞台。

やまぐちせいこさんは、突然旦那様のご実家にある二世帯住宅に同居することになり、片付けを始めてからは、相当な苦労があったようですし、お金もかなりかかったことが綴ってあります。

そこは、尋常ではない物(例えば冷蔵庫が4つあるとか、食器棚が5つあるとか)の溢れかえった、広大な敷地という、どれか一つの理由だけでも十二分に即挫折しうる環境の中、やまぐちさんは見事にあらゆるモノを捨て、14日間で人が心地よく住める環境に変身させています。

そこには、様々な創意工夫があったわけですが、それは単純に「親の家をどうやって片付けるのかというノウハウ」とはもはや言えないのではないかと思いました。

親との距離感や、人と人との付き合い方、人の尊厳などが、片付けを通して見えてくる。その先の行動が結果として、お互い最高に心地よい住環境にできることに繋がる。

人との関係性のなかでも、ある意味最も難しいとも言える、親・家族・親戚という人間関係を、どうやって心地よく築くかという手引書とも言えると思います。

親の家を片付けると、親のことがよくわかります。つまり、最高のコミュニケーションになるのです。

親が家を片付けられない理由がそこにある。それとどう向き合っていくか、どう解消していくか。そういうことを考える中で、今まで見えなかった親の一面が見えてくることもありますよね。

親の気持ちをどう片付けにもっていくか。あるいは、部分的に諦めるか。

・親の家具を全部捨てて入れ替えたり、部屋のテイストを丸ごと変えてしまうことには反対
・親の「ホットスポット(地雷原)」を見極めて、そこには一切触れないことにする

など、このように、やまぐちさんは、自分の理想通りにしようという考えは最初から諦め、どうしたら自分の意図と親の本当の気持ちを擦り合せていけるか考えることに、注力しているのが分かります。

その結果、全く手をつけなかった部分もあるけれど、それでも以前からは似ても似つかないような、清潔で美しい住環境にすることができ、自分の家族も、旦那様のご両親にも、快適な生活を送れるようになったそうです。


今私が住む実家は、どちらかというとモノは少ない方だとは思いますが、自分が日常で目に付く中で、嫌だなあと思う部分はたくさんあります。

・明らかに使わないものを捨てて欲しい(多くの家庭あるあるだと思いますが)
・使いにくい食材を買わないで欲しい
・靴は全部靴箱に収めて欲しい
・スーパーでエコバッグが足りなくなったとき、ダンボールにつめてくる、そしてそのダンボールを溜め込むのをやめて欲しい(笑)
などなど

思いつくことはたぶん永遠にありそうですが、これは自分が片付けに目覚めたからこそ思うようになったことですね。

私も元々は意識が低かったわけですし、自分がまずは自分の部屋を、そして共同スペースでもここまでならいいだろうと思うところから手をつけることで、家族の意識も少しずつ変わってきた感じはします。

例えば、私が服を何十キロもリサイクルショップに持っていくのを見ていた母が、「私も服を処分したい」と言って、母の分も持っていくようになったこと。

自分が玄関に靴を一足も出さないようになってから、家族の靴も減ったこと。

たぶん地道に続けていったら、もう1~2年後には、最適と思える住環境に、かなり近づけている気がします。

全部自分がやればいいじゃんというのもすごく思います。

でも、私が常に片付けに気が回らないのも、この家が3人で暮らすには広すぎることが原因だなあと、再び一軒家に住むようになって分かりました。

一軒家を維持することは何て大変なんだろうと、よく思います。

カーテンや網戸だけをとってみても、同じ時期に痛んでくるし、家全体で見たら気が遠くなる量です。

窓・さん・部屋の隅なんかを常に綺麗に保つなんて神業です。

片付けとは関係ないけれど、給湯器系が故障したり、外壁の色がくすんできたり、その度にお金もかかってきますしね。

自分がもしも家を建てることがあったら、絶対に小さな家にしたいと思います。


でもこの本をよんで、まだまだ自分にやれることがたくさんあると改めて思い直し、むしろわくわくしてきました。

そして、改めて自分の片付けに対する意識も高めてくれました。

実家でどうやって家族と良い関係を築くか、家族とどうやって上手く一緒に仕事をしていくか、(あるいは諦めることもあるかも。)これからも考えていきたいテーマですね。

これからも試行錯誤していくなか、私も努力して良い方法を探していきたいですね。

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ナカヤママリコ
いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。