【ビジネスマン向け】美術館の楽しみ方
ビジネスマンの皆さん、美術館はお好きですか?
比較ビズ広報の丸山です。
先日社内で雑談中「美術館の楽しさがわからない」という声がありました。
多くの場合「よく知らないから」「小難しい感じがするから」というのが原因だと思います。
芸術系学科出身の私からしたら由々しき事態です。声を大にして言いたい「小難しく考えるな」「何にも知らなくても楽しいぞ!」「感性やセンスは後からついてくる」
そこで、ビジネスマン向け美術館の楽しみ方として《《知らないものから価値を発見する方法》》をご紹介します。
「週末に美術館デートがあるビジネスマン」はもちろん、「初対面の人をスマートに褒めたい」「趣味を通じて交友の幅を広げたい」という方はぜひ読んでみてください。
事前学習不要論
美術館を楽しむことの障壁となっているのは、事前学習が必要だと考える勤勉な心だと思っています。
美術館の訪問においては、事前学習不要論を唱えます。
理由は3つです。
最初から難しく考えないでほしいから
作者や時代背景は案内板や冊子を読めばいいから
覚えた内容の応用が難しいから
学習が不要ということではありません。美術作品に興味を持ったのちに、時代背景や作者の人生などを深掘りしていくのはおすすめです。
以下、そう考えたきっかけを記載しますが、読み飛ばしていただいてもOKです。
美術館を楽しめない=知ってる音楽にしかのれない
音楽イベントにおける「地蔵」という言葉はご存知でしょうか。
元々の意味は、「自分の目的であるアーティストの出番まで無反応で場所取りをする人」を指していたようですが、最近では、微動だにしない客を総じて「地蔵」と呼ぶそうです。
先日、3組のアーティストが出演するイベントに参加した際のこと。目的のアーティスト以外のライブの時に地蔵状態になっている集団がいました。
「まあジャンルが違うし、しょうがないでしょうよ。」そう思っていたのですが、そのアーティストの出番で大盛り上がりしている彼らを見ていたら、あることに気づきました。
ーーえ、好きなアーティストの曲でも、知らない曲の時地蔵だ!!
この人たちは好きなアーティストのトラックが最高だから盛り上がるとかでも無く、そもそも「知っている音楽にしかのれない」のです。つまり、振り付けを覚えて曲に合わせるように、ノリ方を形式として事前学習して挑んでいるのだ。
美術館が楽しくない人たちは、この仕組みに囚われているのではないでしょうか。事前学習をした上で作品を嗜まなければ。その勤勉な姿勢は非常に素敵ですが、それで美術館を敬遠してしまうのであれば、一旦忘れてください。
知らないものから価値を発見するには
5W1Hは一旦置いて
物事を体系的に捉える時、ビジネスでは5W1Hを考えますよね。
When いつ
Where どこで
Who だれが
What なにを
Why なぜ
How どのようにして
後回しです。美術作品と向き合うときは、一旦全部捨ててください。
小難しい感じがするので。
要素の分解
絵画でも彫刻でも、なんでも「見たものを見たままで」細かく分けていきましょう。とてもシンプルです。
以下のあざらしのイラストで実践しながら解説します。
手始めに、こんな風に分解します。
色は何色があるか(グレー、黒、ピンク、赤。グレーは色々な濃さのグレーがあるな。背景は白だ。)
どんな形があるか(台の直線や厚み、あざらしのまるみ、紙の四角)
素材感はどうか(デジタルで描いたんだろうな、淡さのあるクーピーみたいな線だな、太めの線だな、輪郭がぼやっとしているな)
描かれているものやパーツ(マイク、紙、台、あざらし。あざらしの手、ひげ、め、お鼻、まゆげ)
非常に簡単ですよね。
映像系の先生に、映画の感想は「見たものをそのまま伝えるだけでいい。」と教えられたことがあります。絵画や彫刻に関しても、それで十分だと思います。
そういう意図だったかは知りませんが、その感想だけで「どこに着目したのか」「なにに惹かれているのか」がわかるからではないでしょうか。人間の知覚は無意識に取捨選択をしていて、同じものを見ても、視えたものは人によってひとつとして同じものはないので。
バラバラにした要素を組み合わせる
要素を分解できたら、ここからが、なかなかに楽しいところです。
それぞれの要素を好きに組み合わせて考えてみましょう。
たとえば、
【色×色】
あざらしのイラストで分解した、色。ピンクとグレーがつかわれていることで、あざらしの優しい印象と可愛らしさが引き立っているな。色彩バランスが絶妙だな。
【色×線】
太めの線で描かれているけど、グレーが使われていることで、線の印象が柔らかくなっているな。そのおかげで、あざらしの白い部分が、柔らかそうにみえるな。色と線の幅のチョイスがかなりいいな。
などなど、次々に、目の前にあるものの価値を発見していけるはずです。また、分解した要素から組み立てているため、人にも説明がしやすいです。
応用編
ビジネスの側面でも非常に役に立ちます。たとえばセミナーや交流会「何を話していいのかわからない」そんなとき、目の前の人の要素を拾います。髪型でもスーツでも、話し方でも社名でも。それを単体で指摘するのでは無く、他の要素と組み合わせて伝えることで、すぐに会話が作れます。
たとえば、「素敵なネクタイですね」もいいですけど、「スーツの紺にネクタイのピンクが映えて素敵ですね」と言われた方が、もの単体では無く、それを選んだあなたの感性がすばらしい。という広がりをもちます。
このようにシンプルが故にさまざまな応用が可能ですし、実際に見えるものから思考が出発するため、誰とでも共感をつくれます。
「芸術が好きです」「音楽が好きです」とか「映画が好きです」「漫画が好きです」というところから会話をするのって、そこからの細分化が果てしないので、ハードルが高いですよね。
そういう時にも、このくらいシンプルなレベルで会話をしてみたら、雑な枠組みの中でも、核心に近い部分の話ができるかもしれないですね。かもしれないだけですが。
もっと簡単な方法が実はあります
美術館を楽しむための方法「要素の分解と組み合わせ」よりも簡単な方法が実はあります。それは、自分もちょっとやってみることです。
昨年、競馬にハマっていた私は、馬の絵を描いてみたいな。と思い立ち、少し絵を描いてみました。
その後、美術館へ行った際に、ある重大なことに気づきました。
「展示されてる作品、シンプルにめちゃくちゃ絵がうめぇ……。」
驚くことに私は、美味しい料理を食べた時って「うまい!」って思うのに、美術館の絵に「うまい!」という感想を今まで抱いたことがなかったんです。
ちょっとだけ絵を描いてみたから、「この直線めちゃくちゃ難しそう」「この色だすの難易度高すぎるな」など、さまざまなテクいポイントが発見できました。
その時から、いわば「ゴッホは有名だからすごいわけじゃない」とうような、ごくごくシンプルなことに気づきました。
ちょっとテクい部分の価値を発見するアンテナを手軽に習得したい人、分解の精度をあげたい人は、ぜひちょっとやってみるをしてみてください。やる前は見えなかった何が難しいのか、すごいことなのかが分かります。
まとめ
会社でnoteをはじめてみよう!となったので、今後運用していく身として、とりあえず第一弾の記事を執筆してみました。
美術館は個人のコレクションレベルのものも含むとかなりの数ありますし、観光地には大体あるので、温泉入ったし買い物したし、次何やる?となったらぜひ美術館に行ってみてください。
「いろんなことをちょっとやってみる」をモットーにしていますが、noteはコツコツが大事な感じがしているので、どうすっかな。となっています。他社の記事を楽しく読みながら自社は自社で自社なりの個性の発信をして行けたらいいなと思います。
最後に、週末美術館デートに行く部署の先輩へ。小賢しいことはせず、純粋に目の前の作品の価値と向き合ってください。女の子とうまく行ってもいかなくても、美術館で作品と出会うことで得た気づきは一生ものです。