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裏表日影
2024年6月24日 09:08
八月二日。 夏休み真っ只中。昨日は出校日。 空模様は橙色に変わり、そのギラつきが貫くような射光へと変わった頃。 誰もいない、強い陽光に照らされて黒い影が浮いたような廊下を、幼児の戯れのように影だけを踏み歩いていた僕は、前方に気配を感じるとすぐに顔を上げた。「「アっ!!」」 すぐに気付けたが、間に合わず。 鼻に衝撃。 思わず仰け反る。 半秒ほど遅れてくる鈍痛。同時に、押さえよう