見出し画像

長女の読み書き困難(ディスレクシア)は見え方と音が原因だった⁈①

読み書き困難(ディスレクシア)とは

画像1

みなさん、この文章読めますか?
ディスレクシアを持っているこの文字の世界です。見え方はそれぞれ異なるそうですが、うちの長女は、右下ような文字がぼやけた世界が見えていたと最近教えてくれました。

驚きでした。こんな世界が長女に見えていたなんて。
この世界をみて、「ちゃんと読みなさい!」「なんで読めないの!!」と言えますか?

私は言っていたんです。まだこのことに気付いていないときですが・・・。ため息をついたり、怒りながら・・・。
その言葉・態度がどれほど長女を追い込み、苦しめていたかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

読み書き困難(ディスレクシア)とは、知的能力や視覚・聴覚機能には問題ないが、生まれつき読んだり書いたりすることが難しいこと、学習障害の中心的症状と言われています。

『あれ?さっき文字の見え方がちがってなかった??』と思われた方。そうなんです、長女もそうですが一般的に行われる視力検査ではA判定。視力は問題ないんです。文字だけがそう見えているみたい・・・。聴力も同様です。聞こえてはいますが、音とひびきのところにちょっとした障害があるようです。


読み書きが何でできないのか?と悩んだ日々

私たち夫婦は、小学生になる前に特に習い事はさせていませんでした。その理由は、自由に遊ぶことだけを考えて生活できるのは小学校に上がる前までだから。遊びも大事な子供の学びだと考えていたからです。しかし、それが障害の気づきを遅らせてしまったのかもしれません。

長女が小学生になり、夏休み前の個人懇談会で、担任から見せてもらったひらがなのテストは0点。音読も語彙のまとまりがなく、ひらがな1音ずつ読んでる感じで聞き取りづらい(逐語読み)。そのため、毎日泣きながら音読とひらがなの練習をしてました。私もあせりからか感情的になってしまい、長女のがんばりすら褒めてあげられず、「私は出来ない子」という思いを植え付けてしまいました。

ついには登校拒否。我に返りました。
心身ともに元気に育ってほしいと願っていたのに、なに欲張ってるんだと。
そして、きちんと長女と向き合って話をしました。長女自体もみんなと何か違うことを気づき、劣等感に苛まれていたのだと思います。
『勉強ではなくみんなに会いに行っておいで。』と伝えたら、翌日から学校に行くようになりました。テストで0点でもスルーして。まずは笑顔を取り戻そうと。

しかし、根本の原因は解決できていません。心のしんどさを軽くするためには、その根本を見つけないといけないと思いました。何かいい方法はないか、なんで出来ないのか調べました。この情報化社会で色々な方法があり試しますが・・・うまくいかない。その繰り返し。


どういしたらすらすら読めるのか?書けるのか?わかりませんでした。何故なら、私自身がどのように読んだり書いたりすることを覚えたのか分からなかったから・・・。練習した記憶もない。何となく読み書きができていたので。

そんな中、頭に浮かんだのが学習障害という言葉です。その頃、発達障害について特集等が組まれるようになって、社会的機運を盛り上げていたから。そこで聞いた学習障害なのかな?って。

しかし、担任の先生に相談しても『学習障害ではないですよ』と断言されてしまいました。長女の場合は、書写といった書き写しはきちんとできる。『学習障害というのは、書くときに枠の中にきちんと書けなかったり、欠損したりするので。ちがいます』と。

先生がそう言うなら・・・。と思いましたが、夫婦で話し合って検査しようといことになりました。

その行動が、私たち家族の道を切り開くきっかけになったと思います。


暗いトンネルから光が見え始めた瞬間

長女を連れてある病院に小児科に受診しました。その病院は近くのいくつかある大きな病院の小児科で、たまたま一番早く予約がとれた病院でした。
運よく、子供の発達の先生で自分たちが抱えていた問題を伝えました。

診察の結果『もしかしたら見え方が特殊なのかもしれませんよ』と言われました。

えっ?見え方??視力は問題ないけど・・・。と思いました。
しかし、先生はある施設での検査をすすめてくださいました。半信半疑でしたが、その施設に予約をして検査を受けることにしました。

その施設は視覚支援「あおぞら」というところです。
1時間程度の検査、数週間後に検査結果を聞きました。驚きでした。

検査内容だけでなく、長女の姿勢・鉛筆の傾き・持ち方、目や首の動き・性格からきちんとアセスメントがなされていて、具体的にどうすればよいのか、書籍なども丁寧に教えてくれました。

やはり、見え方が特徴であることが分かりました。何より腑に落ちたのは、先生が『お子さんは、お母さんが始めたアラビア語をみた状態だと思ってください』と言われたことでした。

『アラビアを初めてみた時、その言葉をすらすら読めますか?書くとき何回も確認して書きますよね?だから逐語読みになるし書くのにも時間がかかるんですよ。視力の問題ではないんです。文字を見るということに特徴があるんです。』と。それを聞いた時、やれることが見つかったと思いました。少し長女の頭の中が見えた気がしたのです。


視覚支援の結果までで学んだこと

私たちが見えている世界が長女は違う。しかし、長女はその世界が当たり前だと思っています。なぜなら、長女にはみんなの文字の世界がどのようなものなのか確認する術がないからです。

当たり前のことができないと、さぼっている・怠けていると言われやすい。でも頑張っても出来ないことがあります。それを認めてもらえるためには、出来ない理由をできるだけたくさんの人たちが知識・情報としてもっていなければならないと思います。
それが、みんなが当たり前にできるこの読み書きが出来ない「読み書き困難(ディスレクシア)」が理解されにくい原因だと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?