二十三煎目:茶道の基本的な作法や覚えておくべき用語を教えてください
茶道には、茶道ならではの作法や用語があります。ここでは、初心者の方が覚えておくとよいと思われる基本的な作法と用語をわかりやすく解説します。
茶道における基本的な作法
挨拶と所作
茶室に入る際には一礼し、常に静かで落ち着いた動作を心がけましょう。お点前の折々で亭主に挨拶を行う必要がありますが、まずは3段階の挨拶を意識しましょう。最初に「お招きありがとうございます」、茶を勧められたら「頂戴します」と飲む前に挨拶し、茶事の最後に「ありがとうございました」とお礼を伝えましょう。
正座と足の組み方
茶道では正座が基本です。座るときは、まず右足を先に出して、左足を後ろに引いて正座します。脚が痺れて崩したいときも、お点前の邪魔にならないようにさりげなく行いましょう。
茶の飲み方
出された茶碗を右手で茶碗の底を、左手で側面を支えて持ち上げ、左手のひらに乗せます。飲む際には一旦左手のひらの上で右手を使って茶碗を右回りに2回転させ、自分に向いている茶碗の前面を避けて口をつけましょう。
お菓子の食べ方
お菓子は、亭主から「お菓子をどうぞ」と勧められたら口をつけましょう。菓子器で出されたお菓子を懐紙の上に移してから、その懐紙を左手の平に乗せて、右手を使っていただきます。 生菓子の場合は、黒文字(菓子を切るための道具)を使って一口大に切り分けて食べましょう。
点前(てまえ)
茶を点てる一連の手順を「点前」といいます。手順は流派によって異なりますが、基本的な流れは共通しています。
服装
正式な茶会では、男性は紋付き袴、女性は訪問着や付け下げなどの和装が好まれます。洋装の場合もセミフォーマルを意識するとよいでしょう。足袋や靴下は白色がよく、アクセサリーは控えめにします。また、指輪は茶碗など茶道具を傷つける可能性があるので、外して臨むのがマナーです。
覚えておくとよい用語
茶室(ちゃしつ)
茶の湯を行うための部屋のことです。畳が敷かれ、床の間などが設けられています。
茶碗(ちゃわん)
茶を飲むための器。様々な種類があり、季節や行事に合わせて使い分けられます。
茶筅(ちゃせん)
竹で作られた道具で、茶を点てる際に使用します。
茶杓(ちゃしゃく)
竹や木で作られた、茶を計量するためのスプーン状の道具のことです。
薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)
薄茶は水分量が多く、軽い味わいのお茶です。濃茶は濃厚で少量のお茶で、客が順に回し飲みします。
お点前(お手前)
茶を客に供するまでの一連の流れを指します。
茶事(ちゃじ)
茶の湯を行う儀式や集まり全般を指す言葉です。
和敬清寂(わけいせいじゃく)
茶の湯の精神を象徴する言葉で、「和」は調和、「敬」は尊敬、「清」は清潔、「寂」は静寂を意味します。