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プレゼントにお勧め 大谷選手が同僚から贈られた高級カリフォルニアワイン

友人や知人、あるいは仕事でお世話になった人にワインを贈る人は少なくありません。相手がワイン好きならなおさらです。問題はワインの選択。自身がワインに詳しければ問題ありませんが、そうでなければどんなワインが喜ばれるか皆目見当がつかないと悩む人は多いはず。そんなときにおすすめなのが、“大谷ワイン”です。

今年、アメリカ大リーグのロサンゼルス・ドジャースに入団した日本の大谷翔平選手と山本由伸投手は、スプリング・トレーニング(春季キャンプ)中の2月、同僚のミゲル・ロハス選手からお近づきの印にと、ワインを1本ずつプレゼントされました(アメリカでも日本でも報道されています)。

ロハス選手はベネズエラ出身の35歳のベテラン内野手。面倒見がよいことで知られ、大谷選手らにワインを贈ったのも、「違う国から来て新しいチームに加わることがどんなに大変なことか僕にはよくわかるので、彼らの気持ちが少しでも楽になるように」と理由を述べています。

ロサンゼルス・ドジャースの本拠地ドジャースタジアム

ただ、ロハス選手自身はワインにあまり詳しくないようで、同僚のフレディ・フリーマン選手にワインを選んでもらったそうです。フリーマン選手はカリフォルニア州の出身なので、ひょっとしたらワインに詳しいのかもしれません。

そしてフリーマン選手が選び、ロハス選手が大谷選手と山本選手のロッカーの前にメッセージとともにさりげなく置いたのが、カリフォルニアのプレミアムワイン「クインテッサ」でした。

先日、そのクインテッサの醸造責任者が来日し、プロモーションのための試飲付きセミナーを東京都内で開催しました。

東京都内で開かれたクインテッサの試飲付きセミナー

クインテッサは、チリ人の実業家が1989年にカリフォルニア州ナパバレーに設立したワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンから造られる赤ワインは評論家からも高い評価を得ています。

セミナーではヴィンテージ違いのクインテッサを4種類、試飲しましたが、その中には大谷、山本両選手がプレゼントされたのと同じ、2019年ヴィンテージも入っていました。

2019年ヴィンテージは、一言で表現すると非常にパワフル。アルコール度数も14.5%とかなり高めです。しかし、酸味とタンニンがしっかりしているので味わいのバランスがよく、余韻が非常に心地よく感じられます。タンニンがまだ若干、固い感じもするので、もう10年くらい熟成させると、タンニンがこなれて、さらにおいしくなる予感がします。

試飲した中では、個人的には、2021年ヴィンテージのほうが香りや味わいの凝縮感、バランスともにより優れていておすすめ。クインテッサで10年間、醸造にかかわってきた醸造責任者のレベッカ・ワインバーグさんも、「2021年はクインテッサらしさを最も表現できた」と推しています。

クインテッサの醸造責任者レベッカ・ワインバーグさん

2021年は今飲んでもワインのポテンシャルが十分に引き出されていておいしいですが、非常に凝縮感があるので、20年くらい熟成させると、複雑な香りを帯びて、また違うワインとして楽しめるに違いありません。

2014年ヴィンテージは、他のヴィンテージと比べると線がやや細く、エレガントなイメージ。2000年ヴィンテージは、ドライフルーツや紅茶のような香りなど複雑な熟成香に満ち溢れたすばらしいワインでした。

クインテッサの製法上の特徴は、バイオダイナミック農法でブドウを栽培していることです。バイオダイナミック農法は、農薬や化学肥料を使わず、さらに「調合剤」と呼ぶ独特の有機肥料のようなものを畑にまいたり、月の満ち欠けで澱引きの日を決めたりするなど、より自然と共生する農法。一般にはあまり知られていませんが、かのロマネ・コンティやボルドー五大シャトーのシャトー・ラトゥールも実践している農法です。

バイオダイナミック農法を取り入れた理由を、ワインバーグさんは「土地の個性をワインに表現するため」と説明しました。

バイオダイナミック農法を採用している著名なワイン生産者は世界的に見てもまだそれほど多くありません。しかし、環境問題が世界的に大きな問題となる中、農薬や化学肥料を使わない、環境に配慮したワイン造りを目指す生産者は急速に増えています。

クインテッサはラムと合う

特に環境意識の高い欧米のワイン産地ではこの傾向が顕著です。消費者の間でも、環境問題に熱心な生産者のワインを買いたいという人がミレニアル世代やその下のZ世代を中心に明らかに増えています。

ひょっとしたら、フリーマン選手がクインテッサを選んだのも、単においしいというだけでなく、こうした理由もあったのかもしれません。フリーマン選手も、1989年生まれの34歳なので、世代で言うとミレニアル世代です。

クインテッサの日本の販売価格は1本2万~4万円前後。これを高いとみるか安いとみるかは人それぞれですが、「大谷選手も飲んだ(かもしれない)ワインです」と言って贈れば、喜ばれること請け合いです。相手が環境問題に少しでも関心のある人なら、さらにプラス。もちろん、飲んでひそかにがっかりされることもないでしょう。

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