あの頃は何もかもが、存在していたものの全てが、良かった。僕らにとっての世界とは、未だ見ぬものの溢れかえる日々であり、その日々を生きることはまるで冒険だった。本当に何もかもが、僕たちには完璧だったのだ。お互いの揺るぎない信頼、安心、そしていつまでも一緒にいるのだろうという確信。あの頃の僕らに、果たして想像できただろうか。僕らは離れ離れになって、こんな風に過去を懐かしく思う時が来ると。もう二度と戻ることのできない青春の日々を、ふとした瞬間に何度も何度も頭の中で反芻していることを